ニューヨーク市、100万本の植樹達成
2007年に開始された、ニューヨークに100万本の木を植えるプロジェクト「ミリオン・ツリーズNYC」。予定より2年も早く、目標を達成しました。
このプロジェクトは、ニューヨーク市の長期環境計画「プランNYC」の一環として始まったもの。
ニューヨークを「より環境にやさしく、より素晴らしい都市」にするため、自転車シェアリング、スリフトストアとのコラボによる古着回収プロジェクト、生ゴミの堆肥化などリサイクル強化プログラムなど、さまざまな政策が行われてきました。
植樹を通した市民参加
中でも、ミリオン・ツリーズNYCは、市民の参画を促すための重要なプロジェクト。
木は、植えるだけでなく、植えた後の管理が大切です。
特に、排気ガスや騒音などのストレスに晒されやすく、コンクリートに覆われて土が少ない都市部では、人が手入れをしなければ木は育ちません。
そのため、市は、市民のボランティア参加による植樹と植樹後の管理を促していました。
まずは、自然と触れ合い木に愛着を持ってもらうべく、公園内の植樹イベントに市民ボランティアを募集し、自宅の庭に木を植えたい人に苗を無料提供。
さらに、「アダプト・ア・ツリー」という木の”養子縁組”プロジェクトを実施。
自宅やオフィス近くの歩道に木を植え育てたい人やグループを募集し、苗や育苗キットを提供。無料の講習を行い、植えた木を”養子”として大切に育ててもらいます。
育苗に慣れたら、今度はリーダーとして周りの人に育苗の方法を教え、輪を広げていきます。
こうして市民が積極的に参加することで、植樹が進み、市の職員が植えた木の手入れをする必要がなくなるだけでなく、市の取り組みに対する市民の関心が高まります。
ミリオンツリーズNYCは、植樹による環境・経済効果を追求するだけでなく、”市民参加”という重要な任務を追ったプロジェクトなのです。
今後は3年間で15万本
こうした地道な努力を8年間続けた結果、ついに先月100万本を達成。
既に100万本を優に超え、本日時点で101万7,634本を植樹済です。
目標は達成しましたが、せっかく根付いた市民参加の文化を継続しようと、市は今後3年間でさらに15万本を植樹する予定だそう。
プロジェクト開始当時、市内にあった木は520万本。
現在は、木の数が20%も増え、緑豊かな美しい街に生まれ変わっています。
自然が少ない都市部だからこそ、植樹やその世話はとても大切。
多くの都市でこうした取り組みが行われれば、美しく住みやすい社会が増えていくかもしれません。
Million Trees NYC
ウエブサイト:http://www.milliontreesnyc.org/
2015/11/20