ヴィヴィアン・ウエストウッド、
熱帯雨林保護に個人資産100万ポンド投入
(Image from No Fun Being Extinct)
イギリスの人気デザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドが、個人資産100万ポンド(約1億2千万円)を投入し、熱帯雨林保護活動を支援することを発表しました。
この資金を元に、ヴィヴィアンさんはイギリスの熱帯雨林保護財団クール・アースと共同で、「No Fun Being Extinct (絶滅なんて最悪だ)」と題したキャンペーンを展開。
これにより、2013年までに700万ポンド(約8億5千万円)を集め、絶滅危機にあるペルーのアマゾン、コンゴ川流域、ボルネオにある熱帯雨林を救う、としています。
ヴィヴィアンさんはこれまでにもクールアースに支援を行ってきましたが、今回この大胆な資金援助を申し出たのは、今やらなければ間に合わなくなるという危機感を抱いたこと、そして、公的機関の行動の遅さに業を煮やしたため。
「明日まで待っていたら、間に合わいません。政府は40年もの間、熱帯雨林を守ると言ってきましたが、既にその半分の期間が過ぎています。信じられるのは、自分の行動だけです。」
(No fun Being Extinctウエブサイトより)
ヴィヴィアンさんは、世界銀行傘下の気候投資基金がうまく機能していないことを例に挙げ、先進各国が気候変動対策のために65億ドルを拠出することを約束したものの、実際に回収・使用された額はほんの僅かでしかなかったこと、管理費や人件費に多額が費やされていたことなどを指摘。
このキャンペーンを通して、集めた資金をいかに早く効率的に熱帯雨林保護に活かせるかを、政府機関や世界に対して見せつけたい、としています。
なぜ熱帯雨林の保護が必要?
クールアースとは、元スポーツグッズ企業の重役で英ブラウン政権時代の森林破壊・クリーンエネルギー担当特使であるヨハン・エリアッシュ氏、英バーケンヘッドの元下院議員であるフランク・フィールド氏が創設したNPO。
実際に政治に関わっていた両氏が、早期且つ効果的に気候変動を抑制するには、対応の遅い政府機関に代わり民間の力を活用すること、そして森林破壊を食い止めることだと考え、設立した財団なのです。
クールアースによると、熱帯雨林保護は温暖化対策に最も効果的な手段であるにもかかわらず、違法伐採、焼畑による牧畜、土地に適さない農法、森林下の石油掘削などにより、既に世界の熱帯雨林の半分が消滅。
あと20%消滅すれば、人類も絶滅危惧種のひとつとなってしまうとのこと。
これを防ぐためには、地域住民を巻き込んで、熱帯雨林を企業に売却しないよう保護すること、違法伐採者の進入を阻止すること、学校や病院の設立、雇用の創出など地域住民の生活環境を改善することが最も効果的。
これを実践するために、クールアースとヴィヴィアン・ウエストウッドさんが資金集めに奔走しているのです。
現在、熱帯雨林に棲息する樹木や生物のうち1日に130種が絶滅しており、たった3ポンド(約360円)で3種、30ポンド(約3,600円)で3,000種を絶滅の危機から救えるのだそう。
ヴィヴィアンさんのように1億2千万円もの大金を寄付することは難しいですが、もし財布の中に3,600円があったら、欲しいものを買うことをちょっと我慢して、人類の未来のために投資してみてはどうでしょうか。
「No fun being extinct」のウエブサイトでは、誰でも今すぐに寄付できます。
No Fun Being Extinct
ウエブサイト:http://nofunbeingextinct.org/
2011/12/01