進化するナイキ、ロンドンオリンピックに向け
サステナブルなパフォーマンス製品を発表

Nike Sustainable
(Photo courtesy of Nike, Inc.)

環境先進企業のナイキが、今夏開催されるロンドンオリンピックに向け、サステナブルなパフォーマンスウェアやシューズを発表しました。

まずは、靴の既成概念を覆す最先端技術、フライニット。
ニットという名にふさわしく、アッパーとタン部分は、すべて編み込まれています。
通常、靴のアッパーやタンを作る際には、決められた幅で予め織られた布を裁断して縫い合わせるため、切れ端や余り布が出ます。
そして、何層にも縫い合わせるので、たくさんの布を必要とします。
ところが、フライニットは靴の形に合わせて編み込み、その1枚のみで形成されるため、必要最低限の糸しか使用せず、端切れが出ません。

余分な布を使わないため、軽量化にも成功。
アッパーとタンの重さはわずか34グラム、靴全体でも160グラムという軽さ(サイズ9の場合)。
2011年の世界陸上メンズマラソンで使用されたナイキのズームストリーク3より、19%軽量化を実現しました。

フライニットは、スニーカーに靴下のようなフィット感が欲しいというアスリートの要望から生まれた技術。
一般的に靴下に使用される糸で靴のアッパーを編めば、当然ながら、靴に必要な強度がないだけでなく、形状すら維持できません。
そこで、アスリートたちの期待に応えるべく、4年間研究を重ね、靴に適した繊維と編み込み技術を開発したのです。

Nike Sustainable Apparel
(Photo courtesy of Nike, Inc.)

そして、陸上競技用のパフォーマンスウェア、ターボスピード。
軽量化や生地に無数の窪みを付けて空気抵抗を減らすなど、機能性を重視してデザインされたウェアですが、サステナビリティにも配慮。
リサイクル・ポリエステル混率82%の素材を採用しています。
これは、ペットボトル13本分のリサイクルに相当。
超高性能が求められる陸上競技用オリンピック・ユニフォームに使用されるのですから、リサイクル繊維は機能性に問題ないと証明されたことになるでしょう。

Nike Sustainable
(Photo courtesy of Nike, Inc.)

さらに、バスケットボールのオリンピック公式ユニフォーム、ハイパー・エリートにも、96%リサイクル・ポリエステル繊維が採用されています(メンズ)。
1枚のユニフォームにつき、22本のペットボトルがリサイクルされたことになります。
ショーツの方は、100%リサイクル・ポリエステル製。
この超軽量サステナブル・ユニフォーム、オリンピックではアメリカ、中国、ブラジルなどのチームが着用予定です。

ナイキは、先日、水を使用しない染色技術を開発した企業との提携を発表したばかり(詳細はこちら)。
次々と生み出す最新技術で、世界のサステナブルアパレル・シューズ界を牽引しています。

ナイキのサステナブル・ビジネス・イノベーション担当バイス・プレジデントのハナ・ジョーンズ氏は、次のように述べています。

「サステナビリティは、ただの"良いこと"ではありません。人口増加と資源の枯渇に直面する今、すべての企業が将来成功するために対応しなければならないことです。ナイキの役割は、新しい考え方で革新的な製品を開発することにより、消費者やアスリートに喜んでもらうだけでなく、地球に良い影響を及ぼすことでもあると考えているのです。」

ナイキの試みが他社に影響を与え、すべてのアパレル・シューズ企業がサステナビリティを取り入れれば、世の中は変わるでしょう。
そして、私たち消費者に課された役割は、こうした企業のサステナブル活動を支持することではないでしょうか。

Nike
ウエブサイト:http://www.nike.com/

2012/02/24

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