ナイキ、水を使わない染色「カラードライ」製品、
来年初に発売予定
(Photo courtesy of Nike)
スポーツウェアブランドのナイキが、水を一切使わずに染色する「カラードライ」の製品を来年初旬に発売することを発表しました。
カラードライは、水や助剤を使わず、二酸化炭素を使って染色する技術(詳細はこちら)。
水を使わないから廃水処理も乾燥も必要なく、一般的な染色方法に比べてエネルギー使用量63%、染色時間40%も削減可能。
使用した二酸化炭素は95%回収し、再利用できるそう。
この技術を開発したオランダのダイ・コー社との長期戦略提携をナイキが発表したのは、昨春のこと(詳細はこちら)。
8月には、ロンドンオリンピック男子マラソンで、ケニアのアベル・キルイ選手がカラードライのユニフォームを着用し、商品化の期待が高まっていました。
今春には、スウェーデンの家具ブランド、イケア傘下のベンチャーキャピタル、イケア・グリーンテックがダイ・コーの出資に参画。
当初はポリエステルのみ染色可能とされていましたが、イケアの出資によりコットン製品にも適用できるよう急ピッチで開発が進められています。
そしてようやく今月、台湾の染色工場が完成し、この染色方法は「カラードライ」と命名され、来年初旬に製品が発売されることが発表されました。
水不足は、世界中の深刻な問題です(詳細はこちら)。
水は循環する再生資源ですが、循環の速度を超えるペースで使ってしまえば、水は足りなくなります。
水が豊富な日本ではあまり話題にはなりませんが、世界のどこかで水不足が起これば、そこで栽培されている食物や生産されている製品の供給が減り、食品や製品の多くを輸入に頼っている日本は大きな影響を受けるでしょう。
ナイキによると、アパレル業界が染色に使う水の量は、年間5.8兆リットル。
オリンピックプール(250万リットル)232万杯分です。
いろんな色の服を着たいという欲求のためだけに、これほどの水が使われていることの是非、そろそろ考えなければならないのではないでしょうか。
ナイキ
ウエブサイト:http://www.nike.com/
2013/12/26