セブンリー Sevenly
(Photo courtesy of Sevenly)
非営利団体とのコラボTシャツ・パーカを週替わりで限定販売し、1枚売れるごとに7ドルを寄付するチャリティファッションブランド、セブンリー。
数あるチャリティブランドの中でも、セブンリーがすごいのは、その実績。
2011年6月の創業以来、たった半年で売上枚数25,000万枚、175,000ドルもの寄付金を集めたのです。
2012年には、寄付総額100万ドルを目標にしています。
創業者は、弱冠19歳のアーロンと26歳のデール。
貧困撲滅のためにどうすべきかを話し合っていたところ、問題は貧しい人たちにあるのではなく、先進国に住む私たちが何も行動を起こさないことにある、という結論に。
人々に社会問題への気付きを与え、寄付金を集めるのに最良の方法は何か。
その議論の中で生まれたのが、セブンリーのビジネスモデル。
期間限定販売にすることで、購買意欲が掻き立てられる。
毎週異なるテーマで商品を販売すれば、さまざまな社会問題を知ってもらえるうえ、多くのチャリティ団体に寄付できる。
創業者の得意分野であるソーシャルメディアを最大限に活用して宣伝した結果、セブンリーの名前は瞬時に広まり、短期間で大きな実績を生み出すことに成功したのです。
セブンリーでは、世界に蔓延る諸問題の中から、飢餓、貧困、水、人種差別、災害、難病、救済の7つのテーマを選び、以下のように、さまざまな団体に寄付しています。
- 「飢餓」
飢餓に苦しむ子供たちを助けるフィード・マイ・スタービング・チルドレン など - 「貧困」
貧困層にマイクロファイナンスでビジネスチャンスを提供するホープ・インターナショナル、2015年までにアフリカのマラリア撲滅を目指すマラリア・ノーモア など - 「水」
世界中に安全な水を提供するサースト・レリーフ、アフリカに井戸や上下水道を提供するドロップ・イン・ザ・バケット など - 「人種差別」
戦争に巻き込まれている子供たちを助けるウォー・チャイルド、性的虐待を受け貧困と自信喪失に悩む女性たちをサポートするフリー・イン・ホープ など - 「災害」
世界の災害地に物資を届けるコンボイ・オブ・ホープ など - 「難病」
がんの子供たちを助けるキュア・チャイルドフット・カンサー、自閉症の治療法や原因調査を支援するオーティズム・スピークス など - 「救済」
靴を必要とする人々に寄付するソールズ・フォー・ソールズ、ボランティアの医師を乗せて船で世界中を周るマーシー・シップス など
こんなにすごい社会貢献をしているのに、セブンリーは非営利団体ではなく、営利企業。
最初は非営利団体にしようと考えていたものの、制約が多いことがわかり、より多くの人に早く寄付ができる営利企業を選んだのだそう。
お金を稼ぐためでなく、「世界を変える」ために存在すると言い切る企業、セブンリー。
だから、ビジネスの手法もすべて公開し、透明性の高さを誇りにしています。
まず、ニカラグア、ペルー、中国のフェアトレード工場で生産された、無地のTシャツやパーカーを購入。
南アフリカ、スウェーデン、フランス、アメリカなど世界各国の提携デザイナーによるデザインを、カリフォルニアの工場でスクリーンプリントし、梱包して、世界中に発送します。
毎週月曜朝10時に新しいコラボ商品を発売し、一週間の販売期間が終わると、売上枚数x7ドルをコラボした団体に寄付します。
商品の発送は、一週間の販売期間が終わってから。
つまり、オーダーが入ってからプリントされるので、余剰在庫は一切出ない仕組みなのです。
その代わり、発注後の返品はできません。
運営コストには、無地のフェアトレードTシャツ購入代金、デザイナーに支払うデザイン料、デザインを印刷する費用、ネームタグ、包装資材、人件費、家賃、光熱費、法務財務専門家への支払い、オフィス用品、広告費などがあります。
Tシャツは22ドルで販売しているので、寄付金7ドルは売上の約32%。
非営利団体ですら、ここまで高い比率の寄付をすることはあまりないのだそう。
Tシャツの素材は、コットン60%、ポリエステル40%。
オーガニックでもリサイクルでもありませんが、ここまですごい行いをしているのだから、そこは目をつぶりましょう。
アイディア次第で、ソーシャルファッションビジネスが成り立ち得ることを証明した、セブンリー。
この企業すごい!と思ったら、商品を購入して、社会貢献に参加してみてはいかがでしょうか。
Sevenly
ウエブサイト:http://sevenly.org/
2012/01/31