サステナブルな企業ランキング、
1位はダントツで・・
(Image from GlobeScan)
調査会社のグローブスキャンとサステナビリティ社が、サステナブルな企業ランキングを発表。
1位は、サステナブル企業として近年頭角を現している、ユニリーバ。
2位のパタゴニア、3位の床材会社のインターフェイス、4位の英小売企業マークス&スペンサーなど、サステナビリティの代表格といえる企業群を圧倒的な差で引き離し、ダントツの1位に。
調査方法は、サステナブル開発に従事する企業・政府機関・非営利団体・学術機関・メディアなどさまざまな分野から、87ヵ国887人の専門家に対する聞き取り調査をまとめたもの。企業のサステナブルな活動を定量・定性的に分析したものではありませんが、世界中のサステナビリティの専門家の集約した意見を知ることは、消費者にとっても有意義でしょう。
全ランキングは、以下のとおり。
- ユニリーバ 33%
- パタゴニア 9%
- インターフェイス 7%
- マークス&スペンサー 6%
- ネスレ 4%
- ナチュラ 4%
- ナイキ 4%
- GE 4%
- ウォルマート 3%
- プーマ 3%
- イケア 3%
- コカコーラ 3%
(%は、「事業戦略にサステナビリティを取り入れているリーディングカンパニーはどこか」という質問に対して、該当企業名を挙げた専門家の比率)
コカコーラやネスレなど、批判の多い企業も入っていますが、作っている製品よりも、企業全体としての活動が評価されているからでしょう。
時代の流れがわかる過去のランキング
この調査がおもしろいのは、1997年からのランキングデータを公表していること。
2000年代半ばくらいまでは、石油のシェルやBP、化学企業のダウやデュポン、遺伝子組み換え種子メーカーのモンサントなど、現在では批判の対象となっているような企業ばかりがランクインしていました。
当時はまだサステナブルという言葉すら普及していませんでしたから、環境負荷を減らす活動を行っていたのは、環境負荷が高い企業しかなかったのでしょう。
欧米でエコブームが巻き起こった2007年以降は、消費財関連の企業が軒並みランクイン。
当時、サステナビリティのリーディングカンパニーと熱烈に賞賛されたウォルマートがぐんぐんランクを上げ、2010年には1位に躍り出たものの、CEO交代とともに再び拡大戦略に戻り、あっという間にランクダウン。
代わりに、それまでの地道な活動が評価されたパタゴニアが、一気にランクアップ。
というように、時代の流れがわかるランキング経緯になっています。
ユニリーバのサステナブルな活動
では、過去4年間1位の座を守り続け、今年2位以下に圧倒的な差をつけたユニリーバは、いったいどんな企業なのでしょう。
ユニリーバは、ヘアケアのラックスや石鹸のダヴ、スキンケアのヴァセリン、紅茶のリプトン、スープのクノール、アイスクリームのベン&ジェリーズ、日本では洗剤のジフやドメストなどのブランドを扱う、食品・パーソナルケア・ホームケア用品のメーカー。
かつてはサステナブル企業として名前が挙がることすらありませんでしたが、2010年に「サステナブル・リビング・プラン」を発表してから、一躍サステナビリティ先進企業として認められるように。
同プランでは、環境負荷を減らし、社会に貢献しながらビジネスの規模を2倍にするという目標を設定。
以下の項目を掲げて、企業活動全体でのサステナブル化を目指し、昨年にはどこまで目標を達成できたかを発表しています。
- 人々の健康と衛生面の改善
- 栄養価の高い食品の提供
- 温室効果ガス排出量・水使用量・廃棄物量の削減
- 持続可能な資源調達
- 労働環境の改善
- 女性の権限向上
- サプライチェーン全体の利害関係者への便益
有害物質の排除やオーガニックにも力を入れているとはいえ、現時点で同社がサステナブルな商品を提供しているといえるのかは疑問です。
しかし、できる範囲で持続可能性を目指して健闘していることは間違いないでしょう。
世界各国でこのようなランキングが多々発表されていますが、企業を評価するのは消費者自身。
ただ声が大きいだけのグリーンウォッシュ企業もありますから、見極めるのは難しいことですが、各自が自分なりの評価基準を持つことは大切でしょう。
消費者が「買う」か「買わない」かは、企業にとって大きな脅威。
購買力を駆使して、サステナブルではない企業を淘汰するのは、案外簡単なことなのかもしれません。
Globescan
ウエブサイト:http://www.globescan.com/
2014/05/27