ニューヨーク、エコなクリスマス

rockefeller tree 2009

クリスマス目前のニューヨーク。
ロックフェラーのツリーやデパートのウィンドウなど、街中がクリスマスイルミネーションで光り輝いています。

ニューヨーク冬の風物詩、ロックフェラーのツリーの点灯式では、NBCテレビが、環境NPOのアーバーデイ・ファンデーションとタッグを組み、「text for trees」という植林キャンペーンを展開。
点灯式には毎年多くのミュージシャンが訪れ、歌で祝いますが、今年もアリシア・キースやシャキーラ、バリー・マニロウらが集結。
その模様をNBC局が放映し、放送中にNBCに送られたテキストメッセージ1件につき1本、最大50万本までアーバーデイ・ファンデーションを通して植林されるという仕組み。

そして、その試みはさらに番組修了後も延長されることに。
今年末までに"46833"宛に"tree"とテキストメッセージを送れば、メッセージの数だけ、最大100万本まで植林されます。
今のところ、まだ84,266のメッセージしか届いていないそうですが、100万本まではまだまだ余裕があるので、どんどんメッセージを送り、クリスマスのために伐採されたモミの木分をオフセットできるよう、環境活動の一環としてこのキャンペーンに参加しましょう(詳しくは、text for treesのサイトにて)!

そのロックフェラーのツリーに使われたトウヒの木、今年はコネチカット州の小学校教諭宅から寄贈されたもののだそう。
ロックフェラーのツリーは、2007年から通常の電球より電力消費量が少ないLEDを使用し(関連記事)、職人による昔ながらののこぎりでの伐採法を採用するなど、エコフレンドリーをアピールしていますが、残念ながら今年はLEDの量が少し増えてしまったのだそう。
増えたのはツリーの電飾ではなく、その上に飾られている星。
スワロフスキー社製のクリスタルが輝く星型の飾りは、既に5年も使われているものだそうで、今年はお色直しが必要。
古くなったグラスファイバーを取り替える際、より輝きを増すために、720個のLEDが追加されてしまったのだとか。
いままででも十分美しいのだから敢えて増やさなくても・・という思いはありますが、商業である以上、仕方がないのかもしれません。
でも、今年は植林キャンペーンも行っているし、LEDは通常の電球よりは省エネ、ということで、美しいツリーを存分に楽しみ、自然に感謝したいもの。

snowflake

続いて、5アベニュー+57ストリートに輝くユニセフのスノーフレイク(雪の結晶)。
バカラ・クリスタル製のスノーフレイクには、残念ながらLEDではなく通常の電球が使われていますが、点灯式の日には、ユニセフへの寄付金を集めるオークションパーティを開催。
パーティに参加しなくても、500ドル以上の寄付をすれば誰でもスノーフレイクに使われているクリスタルに名前を入れることができちゃいます。
自分の名前が入ったスノーフレイクを見るのも嬉しいし、寄付によって世界中の助けを求めている子供達に手を差し伸べることができるのですから、幸せなクリスマスを迎えられること間違いなし。

choir

次に、クリスマスが近づくと、街中の至るところに出没する聖歌隊。
エネルギーも資源も使わず、人の声だけで生み出す美しい歌声こそ、まさしくサステナブル。
近代技術の恩恵によるライティングを楽しむのも良いけれど、楽器も使わず人が自らの力のみで作り出すエンタテメントを楽しむこと、それが本当のエコ・クリスマスなのかもしれません。

saks holiday 2009

さらに、ニューヨークといえば、毎年各店が競い合うクリスマスウィンドウ。
近年エコやチャリティを推していたサックス・フィフス・アベニューの今年のウインドウは、ウインドウズ7とのコラボでビデオを多用し、「Twinkle Twinkle Little Fake」という絵本のシーンを再現したもの。
絵本はサックス店内とウエブサイトで販売されており、1冊(16.99ドル)販売ごとに2ドルがセント・ジュード小児病院へ寄付されます。

一方、ここ数年エコや平和をテーマにしていたバーニーズは、なぜか今年は、35周年を迎えた長寿お笑い番組サタデーナイトライブがテーマ。
でも、名物クリエイティブ・ディレクター、サイモン・ドーナンによる「Witty Holiday」と題したバーニーズ・クリスマスギフト紹介ビデオでは、エコ推進派のファッション・ディレクター、ジュリー・ギルハートさんがルームステイトのオーガニックコットンパーカを推奨しています。

do the green thing

そして、クリスマスギフトといえば、おもしろいのがこちら。
アマゾン.comもどきの、「アマゼロ.com」
Do the green thingというグリーンリビングを提唱するブログが、"Buy Nothing"をテーマに作ったもの。
商品名は「Nothing(TM)」、価格ゼロ、"less""more""extra"の3サイズ展開。
もちろん、商品はNothingですから、"Buy it now"ボタンをクリックしても何も起こりませんが(希望すればDo the green thingからニュースレターを購読できます)、クリスマスギフトであれエコアイテムであれ、とにかく何も買わないのが一番グリーンだよね、ということを楽しく提案してくれています。

エコなクリスマスは色々ありますが、やっぱり一番サステナブルで心温まるのが、家庭で過ごすひとときかもしれません。
ここ数年、多くの商業施設がクリスマスイルミネーションの電球をLEDに切り替える傾向が続いていますが、今年は家庭にもその影響が及んでいるそう。
ホームデポなど主要小売店ではLEDの売上が3桁増を記録しているのだとか(ニューヨークタイムズより)。
もちろん、クリスマスツリーもLEDも必要がなければ買わなくてもよいのですし、家で家族や友人と、環境に負荷を掛けずに楽しむのがもっともエコなクリスマス。
今年は、自分なりのエコ・クリスマス、楽しめるとよいですね。

 

The Tree at Rockefeller Center
ウエブサイト:http://www.rockefellercenter.com/

UNICEF Snowflake
ウエブサイト:http://snowflake.unicefusa.org/

Do the green thing
ウエブサイト:http://www.dothegreenthing.com/

2009/12/23

  • ピックアップ記事