レンタル・クリスマスツリーで、エコ・クリスマス
華やかなイルミネーションに街中が浮き足立つクリスマスシーズン。
この時期、グリーンなライフスタイルを送る人々の間で毎年話題になるのが、クリスマスツリーの環境負荷。
アメリカでは、ツリーには本物の木を使うのが一般的。
12月に入ると街角に出没する"クリスマスツリー屋"で、お気に入りのツリーを探し出し、家の中に運び入れ、長年大切に使っているファミリー特有のオーナメントを飾ることが毎冬の家族行事となっている家庭が多く、ニセモノのツリーを飾るのは少数派なのです。
ところが昨今、環境問題の深刻化とともに、1ヶ月間飾るためだけに木を伐採することの是非が問われるようになり、ニセモノのツリーの方が環境にやさしいのではという意見も出始め、ニセモノvs本物論争が起こっています。
この論争の結論は未だ出ていませんが、この問題の打開策として、自治体や環境団体によるクリスマス後のツリーリサイクル事業がさかんに行われています(関連記事)。
そして最近注目を集めているのが、木を伐採せずに鉢に入った状態の本物のツリーをレンタルするというビジネス。
イベント用の木や植物のレンタルは特別新しいビジネスではありませんが、ツリーをレンタルするという考え方は比較的新しく、90年初頭に環境先進都市ポートランドで始まったとされています。
現在では全米の多くの都市で、企業や環境団体によって運営されています。
どの企業や団体も、注文のプロセスはほぼ同じで、いたって簡単。
インターネットで、木の種類(モミノキやトウヒ、糸杉、松、セコイアなど)、配送日、回収日を入力し支払いを済ませるだけ。
希望した配送日に選んだ種類のツリーが届けられ、年明けに回収しに来てくれます。
回収後は、来年のクリスマスシーズンまで大切に育てられます。
大きくなりすぎた木は、レンタルツリーとして使命を終え、適切な場所に植林されて自然に帰ります。
今年のクリスマスを彩ってくれた"我が家のクリスマスツリー"が、どこかで何十年も何百年も生き続けると思うと、なんだかわくわくしてきませんか。
クリスマスツリーの全米年間販売量は2,500-3,000万本。
クリスマス需要のため、米国内では3億5,000本のモミノキやトウヒが栽培されています。
これらの木は、クリスマスツリーとして適切なサイズ(2メートル程度)に成長するには、平均7年かかります。
大量に生産・消費をしなくても、ひとつのものを長年大切に使い回すことで成り立ちうるツリーレンタルビジネス、とってもサステナブルな新しい時代のビジネスといえそうです。
2010/12/07