クリスマスツリーのリサイクルイベント、
今年も開催

tree recycle

ホリデーシーズンが終わり、恒例のクリスマスツリーのリサイクルサービスが始まりました。

ニューヨークでは、1月3日から15日までの間にゴミ置き場にツリーを出しておけば、市の清掃局員が無料で回収してくれます。
回収したツリーは粉砕され、マルチ(根覆い)として市内の公園などに再利用されます。
ただし、ツリーを出すときは、オーナメントや台などはすべて外し、袋や紐などでパッキングせず、木そのままの状態で出しておかなければ回収してくれません。

tree recycle

期間中の週末、1月8-9日には、市内各地の公園35ヵ所でリサイクルツリーイベント"マルチフェスト"が開催されます。
自分のツリーから作ったマルチを自分で使いたい!という方は、このイベントにツリーを持っていけば、その場で粉砕し、生分解可能な袋にマルチを入れてくれるので、好きなだけ持ち帰ることができます。

イベントを運営しているのは、粉砕機を操作する市の清掃局員以外は全員ボランティア。
多くの人がボランティア活動のために集まり、マルチを袋に詰めたり、来場者にマルチ化の環境メリットを伝えたりと、和やかな雰囲気で働いています。

ツリーが持ち込まれる手段は、車に積んだりカートに乗せたり手で持ってきたりとさまざま。
わざわざ重いツリーを運びこみマルチを持ち帰らない人もいますが、自分の手でリサイクルしたことを見届けたためか、皆すがすがしい表情で帰っていきます。

家の外のゴミ置き場に出しておけば無料で回収してくれるのに、敢えてこうしたイベントが開催されるのがニューヨークらしいところ。
ボランティアで働いたり、ツリーを持ち込んだり、環境や人のために活動することの楽しさをニューヨーカーは知っているのでしょう。

昨年は、ニューヨーク市全体で24,000本のツリーがリサイクルされたそう。
今年はアメリカ全土でクリスマスツリーの売上が約20-30%増と報告されており、ツリー市場が好調だったため、リサイクルの本数も増えることが予想されます。

本来、リサイクルの本数が増えることよりも、ツリーの消費自体が減る方が環境にとっては良いのでしょうが、ツリーを飾ることはクリスマスの大きな楽しみのひとつですから、やめるわけにはいきません。
木の伐採で環境に負荷を掛ける分、リサイクルで環境に恩返しすれば、カーボンフットプリントは削減できます。

近年、ニューヨーク以外でも、全米各地でこうしたツリーのリサイクルサービスが行われています。
本物のツリーの売上が伸びていることからも、アメリカの消費者はプラスチックなどで作られたニセモノのツリーより本物のツリーをリサイクルして使う方が環境にやさしいと判断したといえるでしょう。

本物とニセモノ、本当にどちらが環境にやさしいのかは、使用後のツリーの扱い方にも拠るので簡単に答えは出ませんが、多くの人が環境のことを考えて生活するようになれば、地球と共存しながらこれまでどおりの楽しい生活を実現できるでしょう。

New York City Department of Park & Recreation
ウエブサイト:http://www.nycgovparks.org/

2011/01/08

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