リーバイス、ウォーターレスジーンズ

リーバイスが、生産工程で使用する水の量を28-95%削減した環境配慮型ジーンズ「ウォーターレス・ジーンズ」を発売。

リーバイスによると、通常1本のジーンズの最終加工をするのに使われる水は42リットル。それが28-96%削減されれば、1.7-30リットルで済みます。

でも、そもそも、なぜたった1本のジーンズを生産するのにそんなに大量の水が必要なのでしょう。

デニムは素材や型がある程度決められてしまっている分、色とヒゲやダメージなどの加工で差別化なければなりません。
微妙なインディゴ色を出し、独自の加工を施すために、生産工程で通常3-10回も洗いをかけているのです。

levis waterless

リーバイスは、水量を削減するために色や加工を妥協したわけではありません。
これまで当たり前と思って行っていた、洗いの工程を見直したのです。

1回の洗いでベストな色になるように工夫したり、水の代わりにオゾンを使った洗いを採用したり、ストーンウォッシュの際に使っていた水を排除したりと、様々な手法を用いて、デザインを妥協することなく水量を削減することに成功したのです。

水対策、なぜ必要?

日本は水が豊富な国なので、水の大切さはあまり感じないかもしれませんが、現在世界中で水不足や水の不均衡が起こっています。

水の不均衡とは、ある場所では豪雨による洪水など水量が過剰になる一方、別の場所では降雨量の激減や水使用量の増加による深刻な水不足が起こるなど、水のバランスが崩れてきていること。

途上国では、清潔な水を得るために井戸を作る活動が行われています。

もちろん、汚泥した水を飲んで病気になっていた人々がきれいな飲み水を飲めるようになるのは良いことなのですが、井戸を掘りすぎてしまったために、長い年月をかけて溜まった地下水が枯渇し、これ以上掘る井戸がない状態に陥ってしまうというといった状況も起こっています。

水がなければ井戸を掘ればいいとか、日本には水がたくさんあるから大丈夫ということではなく、世界全体で水を大切にしていかなければ、バランスが崩れて皆が困る状況になってしまうのです。

また、これまで水は皆の共有資産と考えられ、政府が管理することが多かったのですが、水をビジネスチャンスと考える民間企業が水ビジネスに参入するようになり、いずれ水の価格が高騰して市民が平等に水を使えなくなる日が来るかもしれないとも懸念されています。

水は生物全体にとって、なければ生きていけない大切な資源。
それを無駄に使ってしまえば、水の枯渇が進む頻度は早まってしまいます。

水がなくなれば、食糧も作れなくなり、ジーンズに目を向ける人などいなくなってしまうでしょう。
そうならないため、リーバイスは無駄をなくして資源を大切に使い、サステナブル(持続可能)であり続けようと努力しているのです。

地球全体のことを考えて研究を重ねて作られたジーンズと、資源のことなど何も考えずに作られたジーンズ、どちらを選ぶかはあなた次第。
どちらを選ぶかによって、未来は変わってくるのです。

Levi's
ウエブサイト:http://levi.com/

2011/01/23

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