ワシントンDC、レジ袋有料化の効果
(Photo by chez_worldwide @flickr)
今年1月1日からレジ袋有料化が実施されたワシントンDC。
開始から1ヶ月で、レジ袋の使用率が激減したのだそう。
2009年、DC内の月間レジ袋使用数はおよそ2,250万枚。
有料化開始後の2010年1月には、なんと約300万枚に減ったのだとか。
有料化の対象となっているのは、食品・アルコール飲料を扱う店。
食品スーパーや酒屋のみならず、食品を扱うドラッグストアやレストラン、屋台などのテイクアウト用袋も有料化されています。
ビニールでも紙でも素材を問わず、消費者がレジ袋に対して支払う金額は一律5セント。
もちろん、マイバッグを持参すれば支払う必要はありません。
むしろ、店によってはマイバッグ持参者に1-2セント返金してくれるところもあります。
政府は店側に、マイバッグ持参者に対して1-2セントをリベートとして返金する優遇制度を認めています。
つまり、消費者から回収した5セントのうち、店が政府に支払うのは3-4セントで良いのです。
もちろん、マイバッグリベートプログラムを実践していなければ、5セント全額を政府に支払う必要があります。
回収された金額は、ワシントンDC内を流れるアナコスティア川の保護基金に充てられ、汚染が激しいこの川の清掃費用と、ゴミ投棄に関する教育資金として使われるのだそう。
2010年1月の回収額は、14万9,432ドル。
有料化により、年間250-400万ドル(月間平均20-30万ドル)の税金が回収されると予測されていたそうですが、実施から1ヶ月で既に予想を下回る金額に。
川の清浄予算が減ってしまったことは残念ですが、マイバッグを持参する人が予想以上に多かったということですから、嬉しい誤算です。
とはいえ、DCをはじめ各自治体のレジ袋有料化支持層は、税収につながることを支持の理由としていたようですから、この結果を受けて、今後の他都市の有料化政策に影響が出てしまうかもしれません。
でも、有料化本来の目的である環境保護を考えるならば、この結果は素晴らしいこと。
現在アメリカでレジ袋有料化を行っている自治体は、ワシントンDC以外には、2008年からビニール製のレジ袋を有料化したサンフランシスコ市があります。
ニューヨークやシアトル、フィラデルフィアなどの都市でも、有料化法案が持ち上がってはいたのですが、不況の影響もあり議会が却下。自治体による有料化実施はなかなか進んでいないのが実態なのです。
有料化が実現しない理由に、レジ袋生産者や処理の煩雑化を嫌う小売店に反対派が多いことがあるようですが、有料化は環境のためには必要なこと。
たった5セントでこれだけの効果があることが証明されたのですから、他都市でもどんどん実施すべきでしょう。
有料化反対派に対抗するには、私たちひとりひとりが行動を起こすしかありません。
行動といっても、小さく折り畳める袋を、常にカバンの中に入れておけば良いだけ。重くもないし、邪魔にもなりません。
たったそれだけの小さな努力で、環境汚染を食い止めることができるかもしれないのです。
誰かをあてにしたり、誰かのせいにするよりも、自分でできることは自分でやってしまうほうが、よほど簡単で気持ちがいいもの。
これだけマイバッグが溢れ返っている世の中ですから、持っていないなんて人はいないはず。
まだ持ち歩いていないだけなら、今日からでもすぐに行動を開始して、世の中に良い影響を与える人になりましょう!
ニュースリソース:
・ABCニュース
・Washington Post
・Foxニュース など
Washington DC "Green DC"
ウエブサイト: http://green.dc.gov
2010/03/31