ウォーターボトル、ステンレス vs プラスチック vs アルミ、どれがエコ? Vol.2
(Photos coutesy of Klean Kanteen (left), Kor One (center),
Brian Vallelunga from flickr (right))
では、プラスチック、ステンレス、アルミ、3種類のウォーターボトル、いったいどれが最も環境や人体にやさしいといえるのでしょうか。
残念ながら、未だ明確な結論は出ていません。
現状では、BPAを含むか否かが大きな焦点になっています。
ステンレスは、BPAが含まれていないという点で、一般的なプラスチックやアルミよりも優勢と考えられています。
ただし、BPAを含まないプラスチックやアルミと比較すると、どちらが優勢かの判断は未だ出ていません。
BPA未使用のプラスチックボトルを販売していたキャメルバック社やKOR、BPA未使用のアルミボトルを販売していたSIGG社が、ステンレスボトルを販売し始めたことは、ひとつの答えになっているといえるかもしれません。
アルミとステンレスボトルに関しては、SIGG社が、第三者機関による金属漏洩テストを行っています(同社ウエブサイト)。
テスト対象となった製品は、SIGG社とポッタリー・バーン社のアルミボトル、クリーン・カンティーン社とEnviro New Wave社のステンレスボトル、各2つ、計8製品。
40以上の物質が調査されましたが、その中で漏洩が検出された製品とその順位は、以下のとおりです。
アルミ: Enviro>ポッタリー
カルシウム: Enviro>ポッタリー
鉄: クリーン>Enviro
カリウム: SIGG>Enviro
ナトリウム: Enviro
ケイ素: クリーン>Enviro
タングステン: Enviro
この調査では、上記物質が漏洩することで人体にどのような影響があるのか、各漏洩値が許容範囲内であるのかなどの分析結果は一切記載されていませんが、少なくとも、SIGGのボトルでアルミが漏洩しなかったことは証明できたようです。
以上から、ボトルを選ぶ際には、「BPA未使用」と明記されていないプラスチックやアルミは、避けたほうが良いと考えられます。
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また、3素材の比較ではありませんが、ニューヨークタイムズ紙が、ステンレスボトルとペットボトル(プラスチックのウォーターボトルではありません)のライフサイクルアセスメントを行い、環境負荷を比較した記事を掲載しています(NY Times 2009/04/19)。
同アセスメントでは、素材の抽出、製造、輸送、使用、廃棄の5つの視点から環境負荷を測定し、次のような結論を出しています。
300グラムのステンレスボトルを作る場合と、32グラムのペットボトルを作る場合とを比較すると、ステンレスは7倍の化石燃料を必要とし、14倍の温室効果ガスを排出し、数百倍の金属資源を必要とするので人体や生態系に対する有害物質の影響は数百倍になる。
ただし、1回使用して捨てるペットボトルに比べ、ステンレスボトルを50回使用すれば、気候変動の観点からはステンレス優勢、500回使用すれば、 素材の抽出、製造、輸送、使用、廃棄、すべての観点でステンレス優勢となる。
しかし、ステンレスやペットボトルで水を持ち歩くよりも、その場に設置されている水飲み器から水を飲む方が、環境にやさしいといえる。
このことから、ウォーターボトルを使う場合は、素材に関わらず、頻繁に買い替えず長期に亘って使うよう心掛けるべきでしょう。
2012/01/26 訂正
2009/7/10