ペットボトルの意外なリサイクル法 :
1リットルの明かり
Isang Litrong Liwanag (A Liter of Light)
(Photos Courtesy of MyShelter Foundation)
便利な代わりに、環境への影響が大きいペットボトル。
ペットボトルは、作るために化石燃料である石油やエネルギーを大量に消費し、たった1度使われた後、燃やされて二酸化炭素を排出、あるいは埋立地で何百年も生分解されることなく残り続けます。
だからこそ、リユース・リサイクルがとても大切。
アメリカでは、ペットボトルのリサイクル率がたった28%と驚くほど低いのですが(米環境省の資料、PDF)、リユース・リサイクル法として様々なアイディアが生まれています。
そのひとつが、「1リットルの明かり(A Liter of Light; Isang Litrong Liwanag)」。
ゴミとなるはずのペットボトルをそのまま再利用してライトを作り、しかもそれが社会貢献につながるという素晴らしいアイディアを、MIT(マサチューセッツ工科大学)の学生が発案。
といっても、最近よく見かけるようになった、おしゃれなリサイクルアートではありません。
本当に必要なものを、本当に必要な人のために、必要最低限のリソースで作る、実用的なリサイクルライトなのです。
世界には、いまでも電気のない暮らしをしている人がたくさんいます。
フィリピンの首都マニラ郊外には、そのような暮らしをする人が300万世帯も。
日中でも暗い家の中で、子供の世話や家事、親の介護をするのはとても大変です。
なんとかこの状況を打開しようと、フィリピンからのMIT留学生イラック・ディアスさんが、お金をかけずに簡単に生産・設置できるライトを開発。
1リットルのペットボトルと水、キャップ3杯の漂白剤、それと太陽の光。
たったこれだけの材料で、電気を使わずに55ワット分の電球を作ることに成功したのです。
作り方はいたって簡単。
水と漂白剤をペットボトルに入れ、トタン屋根に穴を開けて差し込みむだけ。
すると、太陽光が水と漂白剤に反射して、家の中に光を放ってくれるのです。
同じ太陽の光を使っても、ソーラーパネルは高額な費用がかかりますが、「1リットルの明かり」なら、コストはたった200-400円程度。
しかも、耐用年数は5年と、かなり長期間持ちます。
製作と設置は、ディアスさんが運営するNPO”マイシェルター財団”を通して行っています。
ボランティアを募集してペットボトルの回収とライトの製作を行い、政府や企業、あるいはウエブサイトを通して個人から寄付金を集め、漂白剤や設置したライトの隙間から水漏れするのを防ぐために使う封止剤などの必要な経費を賄います。
これまでに「1リットルの明かり」が設置されたのは、フィリピンのサンペドロ市、バターン半島、セブ島。
来年までに、100万世帯に設置することを目標にしています。
ゴミを削減できるうえ、少ないコストで人々の暮らしを豊かにしてくれる素敵なアイディア。
少しでも多くの家庭が明るい暮らしができるよう、「1リットルの明かり」に寄付で貢献しましょう!
Isang Litrong Liwanag (A Liter of Light)
ウエブサイト:http://isanglitrongliwanag.org/
2011/08/02