コー・ワン KOR ONE
(Photos courtesy of Kor Water)
ペットボトルの水はもう古い。
水道水をウォーターボトルに詰めて持ち歩くのが、エコクール。
そんな常識が浸透しているニューヨーク。
さまざまなウォーターボトルが市場に出回るなか、おしゃれなウォーターボトルが発売され、話題になっています。
その名は、「KOR ONE(コー・ワン)」。
透明感あるカラーリングで、すっきりしたフォルム。
ペットボトルと違って楕円形なので、バッグに入れてもバッグの形が崩れません。
開発時に最も重視したのが、ボトルの素材に含まれる成分。
KOR ONEには、プラスチック製のボトルに通常含まれているBPA(ビスフェノールA)という成分が、含まれていません。
ビスフェノールAは、ポリカーボネートやエポキシ樹脂と呼ばれるプラスチックの原料となる成分。
環境ホルモンのひとつとも言われ、人体への影響が問題視されながら、まだ十分な研究結果が出ていないという理由で、未だ食品容器への使用が禁止されていない物質です。
ウォーターボトルをはじめ、デリの惣菜容器や缶詰の缶、赤ちゃんの哺乳瓶にまで含まれています。
だからこそ、ビスフェノールAが含まれているかどうかは、ウォーターボトルや食品容器を購入する際に重要なポイント。
KOR ONEが採用しているのは、ビスフェノールAが含まれていない、トライタンという名の新しいプラスチック素材。
周りの白い部分はABS樹脂、キャップ内部はFDA(米食品医薬品局)から認可されている食品用シリコン、いずれもビスフェノールAは含まれていないそうです。
ひとクセある、スマート設計のキャップ
クールな外見に加え、革命的なキャップにも注目。
通常のキャップは、飲むたびにキャップを外すのが面倒、プルアップ型だと口につける部分が外に晒されて衛生的に心配・・・KOR ONEのキャップは、そんな不満を一掃してくれるスマートな設計。
ボタンを押してツイストするだけで、片手で簡単に開きます。
飲み口は通常のペットボトルより大きめだから、氷を入れることも可能です。
さらに、キャップの裏には、"KOR Stone"と名付けられた、おもしろい仕組みが。
上の写真のロゴが描かれている部分、これが、交換可能なメッセージパッチ。
人生訓となるような格言が書かれているので、飲むたびに勇気づけられます。
ひとつのKOR ONEに対し、「Imagine」「Be the Change」の2つのメッセージパッチがついてきますが、他にも「Dream BIG」「Pass it Forward」などさまざまなパッチが用意され、KORのウエブサイトで購入可能です。
オリジナルのKOR ONE以外にも、開けやすさは残しつつキャップ部分が完全に外れるKOR Delta、一般的な丸いボトルと普通のキャップのKOR Aura、どうしてもプラスチックはイヤという人のために開発された食品用品質ステンレス素材のKOR Vida、と4タイプ揃っています。
ボトルサイズは、オリジナルが750ml、それ以外は500mlと750mlの2種類があります。
ちなみに、会社名でもある「KOR」は、英語のcore(中心、最も奥の、最も重要な、という意味)から取ったそうで、水は人間が生きていく上でコアとなるものだからこの名前にしたのだそう。
おしゃれなイメージのマーケティングに扇動されて、一気に普及したペットボトル水。
"○○の水"など川の源泉水を詰めたようなネーミングであっても、実態は水道水を濾過して詰めていることも多いのです(詳しくはこちら)。
多くの国では水道の蛇口をひねればきれいな水が出るのですから、ペットボトル水は本来不必要。
環境に負荷をかけて不要なペットボトルを製造するより、水は井戸や水道から飲み、出かけるときは水筒に詰めて持って行くのが、無駄を省ける最良の方法です。
今後水不足が進めば、たとえ先進国でも清潔な飲料水が全員に行き渡らなくなるかもしれません。
そんな深刻な危機が、すぐ目の前に迫っていることを忘れずに。
人間が生きていく上で必要不可欠な水、大切にしましょう。
KOR ONE
ウエブサイト:http://www.korwater.com/
2011/12/23 訂正
2008/10/06