スポーツがエコになる?
グリーン・スポーツ・アライアンス
見る人に感動を与えてくれる、スポーツ。
莫大な動員数を誇る巨大ビジネスであるだけに、スポーツによる環境負荷は大きいのです。
試合開催時のエネルギー・水使用量や廃棄物量は膨大。
観客が会場に来る際にも、かなりの環境負荷がかかります。
そこで、スポーツによる環境負荷削減を目標に、アメリカの6つのプロスポーツが結束。
4大スポーツのアメリカンフットボール(NFL)、野球(MLB)、バスケットボール(NBA)、アイスホッケー(NHL)に、サッカー(MLS)、女子バスケットボール(WNBA)を加えた6プロリーグのチームが、米環境省や天然資源保護協議会など9つの環境関連団体をパートナーに迎え、「グリーン・スポーツ・アライアンス」というNPO団体を設立しました。
今年3月の設立時に参加を表明していたのは、以下6チームとその各スタジアム・アリーナ。
- シアトル・シーホークス(NFL)
- シアトル・マリナーズ(MLB)
- ポートランド・トレイルブレイザー(NBA)
- バンクーバー・カナックス(NHL)
- シアトル・サンダース(MLS)
- シアトル・ストーム(WNBA)
そして最近、新たに以下のチームと各スタジアム・アリーナが加わり、より強力なアライアンスとなりました。
- ボストン・レッドソックス(MLB)
- クリーブランド・インディアンズ(MLB)
- フロリダ・マリーンズ(MLB)
- ミネソタ・ツインズ(MLB)
- サンディエゴ・パドレス(MLB)
- タンパベイ・レイズ(MLB)
- セントルイス・カージナルス(MLB)
- クリーブランド・キャバリアーズ(NBA)
- デトロイト・ライオンズ(NFL)
- カンザスシティ・チーフス(NFL)
- フィラデルフィア・フライヤーズ(NHL)
- シアトル・サンダーバーズ(NHL)
- タンパベイ・ライトニング(NHL)
- ワシントン・ステルス(NLL:ラクロス)
- アリゾナ州立大学
- ワシントン大学
大学が加わったことで、プロだけでなくアマチュアも含めたスポーツ業界全体の環境負荷削減が実現可能に。
また、6リーグ以外にラクロスリーグNLLのチームが加わり、近々さらに3つのスポーツリーグも加わるそうで、スポーツの枠を超えた大きな協業が期待できそうです。
スポーツ業界全体で取り組むことで効果倍増
実は、各スポーツリーグやチームは、天然資源保護協議会などの支援の下、これまでにソーラーパネルの設置や廃棄物のリサイクルプログラム実施など、さまざまな環境負荷削減努力をしてきました。
LEED認証を得ているスタジアムも少なくありませんし、スタジアム内売店でオーガニックコットン製の製品を販売しているチームもあります。
しかし、スポーツは競技こそ違っても会場の運営など似ているところも多いため、リーグやチームが協力して環境問題に取り組めばより大きな効果が望めます。
そしてなにより、スポーツが持つ巨大な影響力を、ファンやスポンサーの環境に対する意識改革に活用すれば、社会に大きな変化を生み出すことができます。
それを実現するために、グリーン・スポーツ・アライアンスは生まれたのです。
まだ設立されたばかりで具体的な活動内容などは示されておらず、どのような効果を生み出すのかは未知数。
まずは来月、エコ都市として名高いオレゴン州ポートランドで、グリーン・スポーツ・アライアンス・サミットが開催される予定です。
環境という人類全体の共通課題に、スポーツ業界が一丸となって取り組めば、きっと大きな成果が上がるはず。
そして、この取り組みが成功すれば、エンタテイメントなど大きなイベントを行う他の分野にも応用ができるでしょう。
グリーン・スポーツ・ライアンスによって、スポーツが、今の世代の私たちだけでなく、次の世代の人々にも喜びと感動をもたらしてくれることを期待しましょう。
Green Sports Alliance
ウエブサイト:http://www.greensportsalliance.org/
2011/07/18