ニューヨーク自転車事情

ny bike
(photo by onesevenone from flickr.com)

CO2を排出しない環境にやさしい乗り物として、世界中で見直されている自転車。

環境対策に熱心なニューヨークでも、自転車支持率は急上昇。

自転車数増加

ニューヨーク市運輸局は、1800年から市内を走る自転車数をモニターしていますが、2007年から08年には32%、08年から09年には26%も急増し、2007年から11年の4年間で利用数は倍以上に増えています(NYC DOT)。

NY Bike counts
(データ出所:New York City Department of Transportation)

自転車レーン増設

自転車利用数の増加に伴い、事故率の上昇が懸念されます。
実際には死亡・重傷事故数が大幅に増えているわけではありませんが、市は安全性を高めるため、2006年に自転車レーン増設計画を発表。
09年までの3年間で、200マイル(321.9km)の自転車レーンを増設しました。
さらに、市の環境計画プランNYCでは、2030年までに市内に1,800マイル(2,897km)の自転車レーンを敷設することを発表しています。

NY bike
(データ出所:New York City Department of Transportation)

駐輪スペース

さらに、駐輪スペースの増設も図っています。
2006-09年の間に、3,100の公共駐輪用ラック、20の屋根付ラック、そしてアーティストのデービッド・バーンによる斬新なデザインの駐輪ラックを新設しました。

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(photo by j-No from flickr.com)

しかし、ニューヨークでは自転車やパーツの盗難が多く、公共駐輪ラックを利用するためには重く頑丈な鍵をいくつも持ち歩かなくてはなりません。
たとえ複数の鍵を付けていても、盗まれることがあります。

駐輪時間が長い自転車通勤派は、オフィス内に自転車を持ち込もうとしましたが、多くのオフィスビルは安全性確保を理由に自転車の持ち込みを禁止していました。

そこで市は、2009年に"バイク・イン・ビルディングズ法(建物内自転車法)"という法律を制定。
これにより、貨物用エレベータがあるオフィスビルは、自転車の持ち込みを許可しなければならなくなりました。
ただし、代わりの駐輪場が確保できる場合は、ビル側は持ち込みを拒否できます。
代わりの駐輪場は、ビルの近く(敷地内か750フィート(228.6m)以内、いずれか近い方)であること、無料、安全、十分数、屋内または屋根付、セキュリティが確保されていることなどが求められます。

持ち込みを希望するテナント側は、ビル管理者か所有者に許可申請しなくてはなりません。
それに対し、ビル側は持ち込みを許可するか、許可できなければその事情を報告します。
エレベータに問題がある場合は、ライセンスのある技術者がそれを証明し、市の検査官が調査して問題を確認できれば、自転車の持ち込み拒否が認められます。

また、駐車場まで自転車で行く人のために、100台以上の駐車スペースを持つ私営駐車場は、車10台につき1台分の駐輪スペースを設けなければらないという法律が、2009年に可決されました。

その他、自転車マップの提供や、市職員のための無料駐輪場確保、自転車シェアリングの開始など、自転車利用増加のためのさまざまな取り組みを行っています。

車が少なく、歩行者や自転車にやさしい街になれば、安全性や健康、環境問題を心配することなく、居住者も観光客も安心してニューヨークを楽しむことができるようになるでしょう。

ニューヨーク市運輸局
ウエブサイト:http://www.nyc.gov/html/dot/html/home/home.shtml

2012/03/12 訂正
2009/12/21

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