プランNYC PlaNYC
2030年までに、ニューヨークの人口が100万人増え、インフラが老朽化し、気候変動が加速すると予測される中、それでも経済を活性化し、住民の生活の質を高めるためにはどうすべきか。
この問いに対し、マイケル・ブルームバーグ市長が出した答えは、
「ニューヨークを、よりグリーンでより素晴らしい都市にすること。」
この目的を果たすべく、2007年、ニューヨーク市の長期環境計画「PlaNYC」が立ち上がりました(PlaNYC full report 2007, PDF)。
2011年には改訂版PlaNYCが発表され、新たな10項目の目標が設定されました。
<2011年改訂版PlaNYC>
- 住宅と地域
良心的な値段でサステナブルな住居を約100万戸建設する
- 公園と公共スペース
全市民が徒歩10分圏内に公園にアクセスできるようにする
- 工場跡地
すべての汚染された土地を浄化する
- 河川
市の河川品質を改善することで、レクリエーションの機会を増やし、河岸の生態系を回復する
- 水道
高品質で安定した上水道を保証する
- 交通
サステナブルな交通手段の選択肢を増やし、交通網の安定と品質向上を保証する
- エネルギー
エネルギー消費量を削減し、クリーンエネルギーを増やし、安定的なエネルギー供給を確保する
- 大気質
米国内の大都市で最も大気質をきれいな都市にする
- 廃棄物
廃棄物の75%を埋め立て以外に転用する
- 気候変動
温室効果ガスを30%以上削減する
住民、自然環境、インフラの気候変動リスクに対する弾力性を高める
07年のPlaNYCで策定した、09年末と15年末の達成予定の127の実行計画のうち、2011年末時点で達成したのは09年末目標分の2/3。
少し遅れ気味ではありますが、2007-11年の4年間で以下の実績を挙げています。
- 数百エーカーもの新たな公園を建設:
25万以上の住民が徒歩10分圏内で公園にアクセス可能
- 64,000戸の家屋を建設・保全
- 公共交通機関にアクセスできる地域を拡張:
20のゾーニングを変更し、新規開発地の87%が公共交通機関にアクセス可能
- 交通機関の選択肢を増加:
タクシーの30%をグリーン化、バス高速輸送システムの導入、道路であった場所に公共広場を設置
- 既存建築に対して省エネ効果を高めるための法律を制定:
100以上の市所有建築物を省エネ化
- 約50万本の植樹
- 温室効果ガスを2005年比で13%削減
温室効果ガスに関しては、4年間で13%減とかなりの実績を挙げているので、2030年までに30%削減の目標は実現可能でしょう。
PlaNYC発足以来、市内に公共広場や花・緑が増え、車が減り歩行者や自転車が多くなりました。
2030年には、ニューヨーク市が、商業や文化だけでなく、環境先進都市としても有名になっているかもしれません。
PlaNYC
ウエブサイト:http://www.nyc.gov/
2012/03/06 訂正
2007/12/28