H&M、
店頭回収した古着から作ったデニムを発表

H&M recycle denim
(Images Courtesy of H&M)

持続可能なファストファッションを目指すH&Mが、店頭で回収した古着から作るリサイクルデニムコレクションを発表しました。

H&Mは、2013年2月に店頭での古着回収を開始。
同店の服だけでなく、どのブランドの服でも良く、回収した古着をそのまままとめて途上国に寄付するのではなく、再販できるものは再販し、リサイクルできるものはリサイクルし、無駄のないよう適切に分別して再利用しています。

これまでに、全世界で1万8,000トン以上(アメリカ770トン、日本1,340トン)もの古着を回収済。
回収した古着1kgにつき0.02ユーロを、各国の非営利団体に寄付しています。

そしていよいよ、回収した古着から新作のデニム製品を作る技術を開発。
製品ライフサイクルの輪を閉じる"循環型ファッション"を実現しました(グリーンファッション入門)。

H&M recycle denim

古着の回収や適切な分別再利用は既にプーマなど多くの企業が行っていますが、循環型ファッションを実現しているのは、環境先進企業のパタゴニアくらいでしょう。

ファッションは無駄が多いものですが、すべての古着を回収して新製品に再生すれば、ゴミが出ず、新たな資源を使う必要もありません。

しかし、古着の回収は消費者の努力次第ですし、リサイクルできる繊維は限られるうえ、ファッション製品として使用できる品質のリサイクル繊維を作ることは難しく、すべての古着を再生できようになるまでには長い時間がかかります。

現在H&Mでは、回収した古着の20%をリサイクルコットンとして再生しているそうですが、今後も技術投資を行い、リサイクルコットン使用率を大幅に増やしていくとのこと。

H&M recycle denim

エシカル志向の人の中にはファストファッションを毛嫌いする人が少なくないのですが、よほど対策に力を入れているブランド以外はファストファッションと大して変わりませんし、たとえファストファッションが一掃されたとしても他のブランドが同じことをするだけでしょう。

環境・社会問題対策を一切行っていない高級ファッションブランドや、対策しているフリをして実は売上のことしか考えていないブランドよりも、持続不可能なファストファッションだからこそ持続可能性を追求して懸命に努力しているH&Mの方が、賞賛に値するのではないでしょうか。

回収済古着から作るリサイクルデニムコレクションは、今秋発売予定。
レディースはジーンズ、ジャケット、サロペット、ジャンプスーツ、メンズはジーンズ、ジップアップジャケット、ジョガーパンツ、キッズはパーカ、ジーンズ、シャツがあるそうです。

H&M
ウエブサイト:http://www.hm.com/

2015/08/21

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