パタゴニア、
気候変動デモ参加のために店舗休業?
先月ニューヨークで行われた、過去最大規模の気候変動デモ。
その模様はこちらに記載しましたが、このデモに参加するため、サステナビリティのリーディングカンパニーであるパタゴニアが、ニューヨーク市内の全店舗を休業するという、前代未聞の行動に出ていたことを、ご存知でしょうか。
パタゴニアの店舗は市内に4店舗。
その全店で、朝から午後3時まで閉店。
デモの集合場所に近いアッパーウエスト店は、デモ開始前の午前10時から11時まで開放し、参加者や関係者にベーグルとコーヒーを配布しました。
観光客の多い大都市の店舗で、かき入れ時である日曜日に、宗教上の理由以外で休業することは、小売企業にとっては考え難いことです。
パタゴニアがなぜこうした行動をとったのか、デモの4日前にローズ・マカリオCEOが同社ブログに告知文を掲載しています。
「私たちの世代がすべきことは、地球、そして私たちが楽しみ慈しんでいる自然を破壊するような競争行為に対して断固として反意を示すことです。
子供や孫の世代のことを考えず、金のために地球を破壊する大きな利権の存在を黙って見ているわけにはいきません。
こうした勢力に、プレッシャーを与え続けなければなりません。
道や街の集会場や首都で、大きな声で目に見える形で主張するのです。
最も重要なのは、選挙の際、私たちが気候変動に直面しているのだと理解している候補者に投票することです。
ニューヨークで開催される気候変動デモは、地球の未来について意見を述べる良い機会です。
パタゴニアは、店員がデモに参加できるよう、ニューヨーク市内の4店すべてを午後3時まで休業することに決めました。
私自身も参加することを楽しみにしています。 」
「パタゴニアの社員、特にニューヨーク市内の店員は、デモの日に通常通りにビジネスを行うことなどできないと考えています。
私たちは、自分たち自身がデモに参加し、将来の世代のために立ち向かい、他社に影響を与えなければならないのだと認識しています。」
(同社公式ブログより一部翻訳引用)
翌日、同社はニューヨークタイムズ紙に全面広告を掲載し、デモ参加のために4店舗を3時まで閉店する旨を告知しました。
この発表に、多くの人は大絶賛。
エコをマーケティングに利用する"グリーンウォッシュ行為では"といぶかる人もいたようですが、同社が真剣に環境のことを考えていることはこれまでの行動から明らかですし、営利企業として存続するためには収益を出さなくてはなりませんから、この行為によってファンを増やすことは間違ってはいないでしょう。
同社に倣って店を閉める企業はひとつもありませんでしたが、同社の行動は、多くの企業や人々に、"企業にとって本当に大切なことは何なのか"を考えるきっかけを与えてくれたのではないでしょうか。
同社の行動に賛同したら、シェアをお願いします!
Patagonia
ウエブサイト:http://www.patagonia.com/
2014/10/23