パタゴニア、
デザインから出荷までの環境への影響を発表
グリーンファッションの第一人者であり、ファッションにおける環境対策の先端を突き進むブランド、パタゴニア。「フットプリントクロニクル」というサイトを開始し、話題を呼んでいます。
こちらの本を読んでいただければ、パタゴニアがいかに環境問題に真剣に取り組んでいるかがわかるかと思いますが、同社は、ビジネスを行ううえで100%サステナブルであるのは不可能であることを認識し、だからこそ、環境への悪影響を最小限にとどめるべく努力を日々行っています。
そんな同社の商品が、デザインされてからディストリビューターの下に届けられるまで、どのような環境への影響(良悪両方)があるかを正直に発表したのが、「フットプリントクロニクル」。
シンチラベストなどいくつかのパタゴニアの代表的な商品を挙げ、それらがどこでデザインされ、糸が紡がれ、縫製され、どのように運ばれているのかを紹介し、例えばリサイクル素材を使用することや、船ではなくトラックで輸送することがどのように環境に影響を与えるかが、良い面と悪い面から率直に記載されています。
パタゴニアに限らず、どのファッション商品でも、デザインから紡績、縫製を一箇所で行っているものなど、今の世の中ほとんど存在しないでしょう。もちろん、今となっては服にせよ食品にせよ100%地産地消は難しい話です。だからこそ、少しでも環境への悪影響を減らす努力を、生産者も消費者も共に行う必要があるのではないでしょうか。
世界中を旅してようやく商品として成り立つ「ボーダーレス時代」の現状、それが環境に及ぼす影響、そしてそれがどのように地球や自分たち人間に跳ね返ってくるのか、など、色々なことを考えさせられます。
昨今日本では、自社製品の悪い部分をひたすら隠し続ける企業の実態が露呈しつつありますが、公に悪いところを発表する企業はまだまだ非常に少ない世の中。
おもしろおかしい広告宣伝やマーケティング活動に労力をかけるより、人間でも企業でも、正直であり、悪いところを認識して改良すべく真摯に努力することが、人をひきつける魅力になるのではないでしょうか。
Patagonia Footprint Chroniclesのウエブサイト (日本語)
Patagonia Footprint Chroniclesのウエブサイト (英語)
2008/04/01