パタゴニア新社長、過去と未来を語る

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今年1月にパタゴニアのCEOに就任したローズ・マカリオさん。

サステナブルビジネスの象徴ともいえる同社を率いる新リーダーは、いったいどんな人物なのか、メディア各社がインタビューを試みています。

社員をサーフィンに行かせ」てしまう創業者のイヴォン・シュイナード氏は、"MBA"を「Management by absence(不在による経営)」と揶揄していましたが、新CEOのマカリオさんは、カリフォルニア州立大学のMBA(経営学修士)を取得し、長年金融畑を歩いて来た人物。

そんなマカリオさんが、環境問題を解決することを使命に掲げる企業パタゴニアに入ったきっかけは、「ミッドライフ・クライシス(中年になって起こる人生の転換期)」のようなものだそう。
利益だけを追求する自身の仕事に疑問を感じ、自分の価値観と合っていないのでは、もっと良いやり方があるのでは、と感じるようになったとのこと(ガーディアン)。

最初は、利益と環境保護の両者を追及するという同社のミッションに懐疑的だったそうですが、入社後すぐに、これはホンモノだと確信。
株主からの圧力を受ける公開企業でなく、非公開企業なら柔軟に対応ができるうえ、家族経営の同社だから信念に一貫性があると悟ったのだそう(CFO.com)。

そして、2008年にマカリオさんがCFOに就任してから今日までに、同社の売上は2倍、利益は3倍に増加。
同時に、衣服だけの事業からサステイナブルな食品や出版事業にも参入し、同じ志を持つ他社への投資も行うベンチャーファンドも開始。

実際に、利益と環境保護の両立を実現し始めています。

どうやってこの偉業を成し遂げたのかと聞かれたマカリオさん、これまでの仕事で培ったスキルを使い、企業全体を見渡して、注目すべき分野と最も利益を生む分野を見定め、その優先順位をつけただけだと、淡々と答えています(ファストカンパニー)。

マカリオさんは、パタゴニアに入る前に自身がいた、利益だけを追求する世界は「地獄への道」であり、「リサイクルもせず、環境のことを考えもせず、このままファストファッションの概念や使い捨て文化を続ければ、私たちが生きる場所はなくなる」(ガーディアン)と明言。

そして、人々が好奇心を持たなければ、問題は解決できないと主張します。

パタゴニアが食品事業に参入したのは、好奇心をもって食品のサプライチェーンを見直した結果、工業化した農業や漁業が現在の生態学的大惨事に繋がっているとわかったからだそう。

今後は、アパレル分野では革新的な技術を用いてさらにサステナブル化を進め、新たに参入した食品分野ではアパレルで培ったスキルを用いて業界のサプライチェーンの再考を行うと意気込みます。

創業者の意思をしっかり受け継いだ様子の新CEO。
パタゴニアがどこまで世界をサステナブルにしてくれるのか、今後の更なる発展が楽しみです。

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ウエブサイト:http://www.patagonia.com/

2014/03/07

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