パタゴニア、
環境問題解決に向けたベンチャーファンド
「$20ミリオン&チェンジ」をスタート
時代の先を見据えて走り続ける、サステナブルビジネスのリーディングカンパニー、パタゴニア。
これまでにも、売上の1%を草の根環境団体に寄付、オーガニックでないコットンの使用を禁止、着古した同社製品を回収して再び繊維にリサイクルする「コモン・スレッド・イニシアチブ」や、デザインから出荷までの環境負荷を公表する「フットプリント・クロニクル」の立ち上げなど、環境問題の解決に向けてさまざまな活動をしてきた同社。
そしていよいよ、自社の環境負荷削減だけでなく、同じ志を持つ他社を支援すべく、環境問題解決に向けて努力する新規企業に投資するプログラム「$20ミリオン&チェンジ」を立ち上げました。
$20ミリオン&チェンジは、その名の通り、20ミリオン(=2,000万)ドルを、服、食品、水、エネルギー、廃棄物を含めた5分野において、社会を変革するために取り組む新興企業に投資する、という試み。
投資先の企業には、パタゴニアのコアバリューである、品質、環境保護主義、企業の透明性、慣習にとらわれない精神、が求められます。
アウトドア・ブランドから、ソーシャル企業へ
そして、プログラムの立ち上げと同時に、持ち株会社の「パタゴニア・ワークス」を設立。
既存の持ち株会社「ロスト・アロー・コーポレーション」から継承する形になりますが、単なる"アウトドア事業"から、"ビジネスを活用して環境問題の解決に貢献する"という壮大な理念を掲げるホールディングカンパニーへと昇華。
コア事業のパタゴニアはもちろんのこと、2012年にスタートした食品事業「パタゴニア・プロビジョンズ」、マルチメディア事業の「パタゴニア・メディア」、そして今回立ち上げた投資・ジョイントベンチャー事業、今後の新規事業開発も統括するとのこと。
パタゴニア・ワークスが同社の「責任」として掲げているのは、
- ベンチャー企業を育成する
- 環境に責任のある企業を生み出す
- 傘下企業を多様化する
- ブランドが持つ影響力とその範囲を、新たな市場へと拡張する
- グローバルビジネスの仕組みに影響を与える
- 投下資本利益の新たな評価方法を提案する
- 環境・社会的リスクを考慮し、長期にわたり経済的健全性を提供する
- パタゴニアが行っている環境キャンペーン「責任ある経済」を促進する
- 傘下企業に最高級の管理業務を提供し、各事業が製品、品質、売上、顧客経験に集中できるようにする
という壮大なもの。
本来、すべての企業がこうした責任を持っているはずですが、ほとんどの企業が売上や利益にしか目が行っていないのが現状。
こうした社会を変えられるのは、私たちの意思と行動です。
企業は商品やサービスが売れなければ存在できないのですから、どんな製品やサービスであれ、その背後で何が行われているかを知ってから選ぶこと。
それが、社会を変える第一歩。
そして、さらに大きな一歩を踏み出そうとしている起業家のみなさん、$20ミリオン&チェンジに申請してみてはいかがでしょうか。
Patagonia
ウエブサイト:http://www.patagonia.com
2013/05/09