メイシーズのサステナブル計画
(Photo courtesy of Macy's Inc.)
環境対策に関して後発組であった百貨店最大手のメイシーズが、アースデイを機にサステナブル計画を発表しました。
まずは、環境にやさしいハンガーへの切り替え。
同社は年に3億本ものハンガーを使用しているそうですが、これまで使用していた業界のスタンダードである石油ベース樹脂製の透明ハンガーから、リサイクルプラスチック製の黒いハンガーに切り替えることを表明。
とはいえ、対応するのはメイシーズではなくベンダー各社。
今年秋物商品の出荷時から来年春物出荷までに、メイシーズへの配送は全てエコハンガーに切り替えることを各社に要求しています。
小売側が強制することでメーカー各社のエコ化が促進されるのは、ウォルマートを筆頭に業界の慣例。
メーカーとしては辛いところでしょうが、環境視点では良い試みといえるでしょう。
続いて、店内レストランでの発泡スチロール製容器の全廃。
2009年時点で同社は270万の発泡スチロール容器(コップ、皿、テイクアウト用容器)を消費していたそうですが、その後の削減努力により、2010年に消費量が半減。
そして、今年末までに全廃することを約束しました。
代わりに使用するのは、紙やプラスチックなど再生・リサイクル可能素材のカップやプレート。
さらに、年に400万枚消費している紙ナプキンを、無漂白の40%再生紙に切り替えるのだそう。
もちろん、一般的なレストランのように、陶器やガラスなどの再利用可能な食器・布製ナプキンを使用するのが理想ですが、メイシーズ内のレストランは主にファストフードですから、これが現状で実現可能な最善策なのでしょう。
再生・リサイクル可能、といっても、理論上ではなく、本当にリサイクルされなければ意味がありません。現時点ではまだそこまでは対応できていないようですが、最終的には、リサイクル済且つ生分解可能な容器と100%再生紙・無漂白ナプキンに切り替わることに期待しましょう。
その他、秋にサンディエゴ市内の6店舗への電気自動車用充電器の設置、リサイクルバンク社が行っている、家庭のリサイクル量に応じて各社クーポンを提供するプログラムに参加、全店でのLEDライトへの切り替え、今年末までに49のソーラーエネルギーシステム導入、ストアクレジットカード請求書のペーパーレス化促進、といったサステナブル計画を発表。
他の小売店と比べるとまだまだ緩いサステナブル戦略ですが、これまであまり環境問題に取り組んでこなかった同社がこうした発表を行ったことで、他小売店に刺激を与えることになるかもしれません。
Macy's
ウエブサイト:http://www.macys.com/
2011/05/03