スコット・ティッシュー、
芯のないエコ・トイレットペーパーを発売
トイレットペーパーやペーパータオルの中心に入っている芯。
ムダだなあと思ったこと、ありませんか。
アメリカ国内で1年間に消費されるトイレットペーパーの芯の数は、170万個。
重量にすると、1億6,000万パウンド(=72,570トン)。
なんと、ボーイング747型飛行機250機分の重さに相当するのだそう。
もちろん、芯は紙でできていますから使用後にリサイクルできますが、大量の芯を作るためには相当数の木が切り倒されなければなりませんし、たとえ再生紙を原料に使用しても、新たに芯を生産するためにはエネルギーや資源が必要になります。
そもそもなぜトイレットペーパーに芯が必要なのかというと、芯がないと、ロールがうまく回転しないので使うときにわずらわしかったり、ペーパーホルダーに接している部分の衛生面が気になるなどの問題があるから。
でも、こんなにも大量の資源を使い、大量のゴミを出してまで、必要なものなのでしょうか。
そこで、スコットティッシューで有名なキンバリー・クラーク社が、芯のないトイレットペーパー「スコット・ナチュラルズ、チューブフリー」を開発。
今週からアメリカ北東部のウォルマートとサムズクラブでテスト販売を開始し、売れ行きが良ければ、全国・世界展開に繋げ、さらにペーパータオルにも同様の技術を採用することになるのだそう。
「スコット・ナチュラルズ、チューブフリー」は、通常の芯ありペーペーと同様に、中央に芯と同じ位の大きさの穴が開いているので、一般に使われているトイレットペーパーホルダーにもフィットするし、巻き始め部分には糊などを使用していないので、最後の一片まで使うことができます。
これまでにも、スコットティッシューを生産するキンバリー・クラーク社では、業務用のトイレットペーパーで芯のないものを生産販売していましたが、仕様の異なる消費者向けトイレットペーパーで芯のないものを発売したのは、同社がアメリカ初なのだそう。
ただし、残念なことに、同社がエコ・トイレットペーパーブランドとして売り出している「スコット・ナチュラルズ」には、通常40%再生紙が使われていますが、この「スコット・ナチュラルズ、チューブフリー」はテスト販売中なので再生紙は使われていません。
今後は再生紙にすると同社は言っていますが、現時点で再生紙を使用していないのであれば、40%再生紙を宣伝文句にしている「スコット・ナチュラルズ」の名称を使うべきではなかったのかもしれません。
ともあれ、トイレットペーパーは、私たちの生活になくてはならない必需品。
毎日使うものだからこそ、環境への負荷をできる限り抑える工夫が必要です。
環境のことを考えるならば、再生紙製でないものや、漂白されているもの、香りがついていたり、肌触りをよくするための加工が施されているものなど、快適さや便利さを追求するために環境を犠牲にしているトイレットペーパーは、使わない方が良いでしょう。
今の快適さと子供たちが将来生活する環境を守ること、どちらが重要かを考え、より良い商品を選べる賢い消費者になりましょう!
Scott
ウエブサイト: http://www.scottbrand.com/
2010/10/28