スワップ・オーマティック Swap-O-Matic

swap o matic
(Photo courtesy of Swap-O-Matic)

ジュースにやお茶にスナック菓子、アイフォンやスニーカーやバッグ。
いまや、なんでも自動販売機で手に入る時代。

そしていよいよ、いらないものを寄付して、欲しいものを無料で入手できるという、サステナブルな自動販売機が登場!

それが、スワップ・オーマティック。

使い方は、とても簡単。

自動販売機に設置されたタッチスクリーンで、「寄付する」「もらう」「交換する」のいずれかを選びます。
メールアドレスを入力し、表示されたポイント数を確認。
「もらう」場合はポイントが必要ですが、「交換する」場合はポイント不要、「寄付する」場合はポイントがもらえます。
初期登録時は、3ポイントもらえます。
あとは、ボックスにいらないものを入れるか、ボックスにあるものをもらうか、その両方をするだけ。

スワップ・オーマティックでは、寄付するにも、交換するにも、ものをもらうにも、お金は一切必要ないのです。

Swap-o-matic - Promotional Video #1 from Lina Fenequito on Vimeo.

設置場所は、月により異なるので、ウエブサイトで要確認。
これまで、大学構内やカフェ、アイスクリーム屋さんなど、ニューヨーク市内のさまざまな場所に設置され、行く先々で話題に。
今後は、他都市へも進出する予定だそう。

おもしろアイディア発案の裏にある、深いワケ

スワップ・オーマティックのアイディアを考え出したのは、デザイン会社創業者であり、パーソンズ・スクール・オブ・デザインで講師も務めるリナさん。

子供の頃、貧しかったわけではないけれど、親の方針で必要な物以外一切買ってもらえなかったというリナさん。
物を買うより世界中を見てまわるべきと、毎年家族で海外旅行に。
行く先々で見たスラム街の様子に衝撃を受け、次第に物を買ってもらえない理由を理解するようになります。

大人になり、非営利団体で働くようになると、それまで知る由もなかったアメリカ国内の貧困社会の実情をまざまざと見せつけられます。

なぜ貧富の差が起こるのか。
理由を追求するうちに、問題は「プログラム化」された消費主義にあると認識。

テレビやインターネットなどさまざまなメディアで、日々数限りなく流れる情報。
その多くは、私たちに何か新しいものを買わなければならないと強制的に思わせる仕組みが施されています。

その一方で、生きるうえで必要な物資すら手に入らない人々がいるという現状があります。

貧困問題が解決しないのは、資源が足りないからではなく、資源が平等に分配されていないから。
限りある地球資源を必要以上に無目的に消費する人がいるから、必要な人のところに行き渡らないのです。

過度な消費主義に歯止めをかけるため、そして、リサイクル・リユース活動を促進するため、リマさんはスワップ・オーマティックのアイディアを考え出し、実行に移したのです。

スワップ・オーマティックは、単なる"おもしろいコンセプトの自動販売機"ではなく、貧困問題を解決するためのツールなのです。

次に新しい物を購入するとき、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
本当に必要なものなのか、誰かと交換することはできないか、それを購入することで社会にどういう影響を与えるのか。
物の数が減る代わりに、きっと気持ちは満たされますよ。

Swap-O-Matic
ウエブサイト:http://www.swap-o-matic.com/

2012/01/23

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