ひとつ買うとひとつ寄付される「ワン・フォー・ワン」ビジネスを築き上げたトムズ、
サングラス事業に進出
熱狂的なファンを持つエシカルなシューズブランド、トムズ。
今年5月から、"トムズはもはや靴のブランドではなく、「ワン・フォー・ワン(ひとつ買うとひとつ寄付される)」カンパニーだ。その詳細は6月7日に明らかになる。"というティーザー・マーケティングを展開。
ワン・フォー・ワン・コンセプトで他の分野に発展させるのであろうことは容易に想像がつきますが、いったいどの分野になるのか、さまざまな憶測が飛び交っていました。
そして今日、新たな分野が「アイウェア=サングラス」であることを発表。
今度は、ひとつ買うとひとつ寄付される「ひとつ対ひとつ」のビジネスモデルではなく、「ひとつ対ひとり」のモデル。
トムズのサングラスをひとつ購入すると、途上国で視力を失いつつある、あるいは失った人ひとりに対し「視力の回復」を提供する、つまり、医療費・手術代・メガネのいずれかひとつを提供するというビジネスモデルなのです。
必要としている人がいるとはいえ、これだけモノが溢れている世の中において、ひとつのモノを買うと世界にもうひとつモノが増えていくという「モノ」主体のビジネスには疑問をぬぐえませんが、「ひとつ対ひとり」の仕組みであれば不用意にモノが増えていくことはありません。
なぜサングラスに決めたのか
失明や視力障害は世界で7番目に大きな身体障害で、手術や治療、メガネによってすぐに視力回復に繋がるという即効性が期待できる分野なのだそう。
また、視力を失うことは仕事や教育を得る機会を失うことに繋がり、結果、貧困に結びつきます。
さらに、男性が優遇される社会が未だ多い途上国では、失明人口の2/3は女性というデータもあるのだそう。
もし失明の危険を防ぎ、視力を回復することができれば、貧困・教育・女性の権利といった重要な問題の解決に一歩近づくことができる、というのがトムズの考えなのです。
先進国では、メガネやコンタクトに頼っている人は非常に多いですが、もしメガネやコンタクトがなかったら、いったいどうなっているでしょう。
手術を受けて目の病気を回復した人も多いですが、もし手術を受ける金銭的余裕がなかったら、どんな生活が待ち受けていたでしょう。
その「もし」が事実として起こっている途上国に対し、先進国に住む私たちはほんの小さな努力で手助けすることができるのです。
だからこそ、途上国の視力回復は、先進国に住む私たちが取り組むべき分野。
しかも、サングラスは靴ほど合わせる服を選ばず汎用性があるので、服や靴よりサステナブル度が高いといえるでしょう。
靴とはまったく異なる生産方法を必要とするアイウェアをトムズが選んだことは驚きですが、商品ありきではなく、世界で今何が必要されているかを考えて選んだ結果ゆえなのでしょう。
初回コレクションは、メンズ2型、レディース3型のみですが、フレームカラー、フレームチップ(耳にかける部分)、レンズカラーが選べます。
おしゃれは諦めたくない、でも環境・社会問題も気になるという方、トムズのサングラスで社会問題の解決に貢献してみてはいかがでしょうか。
Tom's
ウエブサイト:http://www.toms.com/eyewear/
2011/06/07