チポレ、食産業の諸問題を題材にした
コメディドラマを制作
メキシカン・ファストフードのチポレが、食産業の諸問題を題材にしたコメディドラマ「ファームド・アンド・デンジャラス(危険な工場畜産)」をプロデュースすることを発表しました。
ファストシーズンは、1エピソード30分x4回のミニシリーズ。
2月17日からHuluで放映開始予定。
内容は、工場畜産の危険性を面白おかしく紹介するというもの。
ファストシーズンは、石油由来の家畜飼料「ペトロペレット」を開発した大企業、アニモイル社の話。
現在の食肉産業では主に穀物を家畜飼料としているため、大きな環境負荷やコストがかかっていますが(肉を食べると環境を汚染する?-肉食と環境の関係)、この問題を解決すべく、アニモイル社が「ペトロペレット」なる怪しげな新製品を売って行く様子を描きます。
既にニセの会社ホームページまで作成され、サイトには企業の社会責任や就職情報のページまで用意されています。
新たなマーケティング手法、ドラマーシャル
ファストフード企業がテレビドラマをプロデュースするなんて、ちょっと異色に見えますが、チポレはこれまでに何度か、工場畜産の危険性を訴えるショートフィルムをYoutube上で発表し、その度に大きな反響を呼んでいます。
ニューヨークタイムズによると、「ファームド・アンド・デンジャラス」の制作費は1エピソード25万ドルだそうですが、テレビコマーシャルを打たない同社にとって、妥当なマーケティングコストなのでしょう。
チポレのCMO、マーク・クランプパッカー氏は、
「我が社のマーケティングは、食べ物がどこから来てどのように作られるのかについて、人々にもっと興味を持ってもらうことを目的としています。」
「食料生産に関する複雑な問題を、わかりやすく、エンタテイメントにすることで、こうした問題に関心を持たない人々にも伝えられると考えています。」
と述べています。
番組内でチポレの名前が出てくるのは、たった1回だけだそう。
ブランド名を反復したり、自社製品の画像や映像を見せることで人々の潜在意識に訴えかけるのではなく、社会問題を提起することで、その解決策を講じている同社の意義を感じてもらうという、面白いマーケティング手法。
食産業の歪みに気付く人が増えるほど売上が上がるという、チポレの仕組み。
これをマネする企業が増えれば、社会はより健全になりそうですね。
Chipotle
ウエブサイト:https://www.chipotle.com/
2014/01/30