オールナチュラルのグリーガム、
世界初フェアトレード認証のガムを発売
(Photo courtesy of Velve, Inc.)
オールナチュラルのグリーガムが、ガム業界で世界初となるフェアトレード認証を取得しました。
グリーガムは、北米で唯一、「チクル」という樹液を主原料として昔ながらの製法で作られているガム。
チクルの採取事業や労働者を守るために作られたブランドなので、元々フェアトレードの概念が根付いていますが、改めて認証を取得したことで公式にフェアトレードであることが認められました。
ただし、成分のうち、フェアトレードとして認証されているのはサトウキビのみ。
<グリーガムの成分>
サトウキビ、グルコース(ブドウ糖)、ガムベース(チクルを含む)、玄米シロップ、アラビアゴム(アカシアの樹脂)、天然香料(いちご、ラズベリー、ブルーベリー)、黒ニンジンとクロフサスグリの抽出液(着色用)、艶出し用天然樹脂(カイガラムシの分泌物)、蜜ろう、カルナバ・ワックス(ヤシから採取するろう)
グリーガムは可能な限りフェアトレード認証原料を使用したいと考えていますが、サトウキビ以外の成分にはフェアトレード認証の仕組みがないのです。
フェアトレード、複雑な仕組み
フェアトレード認証の仕組みは、少し複雑です。
世界的なフェアトレード認証団体であるフェアトレード・ラベリング・オーガニゼーション(FLO)が認証している製品は、食品では、バナナ、カカオ、コーヒー、果物、米、ハチミツ、砂糖、茶、ワイン、ジュース、スパイス・ハーブ、食品以外では、コットン、花、スポーツのボール、金のみ。
コーヒーや果物などひとつの原料で構成される製品は、100%フェアトレードである場合のみ認証が得られます。
しかし、市場に出回っているほとんどの製品は複数の原料で構成されています。
たとえばチョコレートは、主原料のカカオや砂糖以外に、牛乳や乳化剤など認証対象でない原料も含まれています。
せっかく認証済カカオや砂糖を使用しても、認証する仕組みがない牛乳を使用すれば、フェアトレードという文言や認証マークを使えません。
それでは、せっかくの努力や功績が消費者に伝わりません。
そこで、FLOは複数の原料で作られる製品「複合製品(Composit Products)」の認証を2003年から行い、2011年には多くの製品が認証対象となり得るよう基準を簡潔明瞭に改訂しました。
これにより、ガムも認証対象となり、グリーガムが世界初の認証ガムとなったのです。
<2011年改訂新基準>
- 原料の20%以上がフェアトレード認証済である(水や乳成分が50%以上である場合は、それを除いて計算する)。
- フェアトレード認証対象である原料は、必ず認証済のものを使用する。
- ハーブやスパイスやバニラなどのように、少量しか使用しない原料でも、必ずフェアトレード認証済のものを使用する。
- 使用する製品が認証対象でない場合、対象となってから2年以内の場合、入手困難な場合、品質上著しく問題がある場合には、認証済でない原料を使用してもよい。
- 認証を得た製品は、容器包装の前面に認証マークを、裏面に認証された原料比率を記載する。
グリーガムの創業者デボラ・シンバーグさんは、以下のように述べています。
「私たちの製品は元々、食べ物がどこから来ているのか、原材料や天然資源をどれだけ責任ある形で使用することができるのか、ある国や地域で健全な未来を築くためにどれだけ他の国や地域の力を借りているのか、そういったことを人々に考えてもらうことを目的としています。
この認証取得は、私たちにとって、引き続き環境や社会的正義のために活動していくための重要且つ楽しみなステップです。
世界初のフェアトレード認証ガムの発売に感銘を受けるとともに、他の飴やガムのメーカーがこの動きに追随することを期待します。」
グリーガムは、成分のすべてを公開し、製造工程や各原料がどういうものなのかをきちんと説明している、透明性の高い企業。
ガムは私たちの生活にとって必ずしも必要な食品ではありませんが、眠気覚ましや口寂しいときには食べたくなるもの。
どうせ食べるなら、環境や社会に配慮し、体にもやさしいグリーガムを選びたいですね。
Glee Gum
ウエブサイト:http://www.gleegum.com/
2012/03/19