ユナイテッド航空、
米国初の藻類バイオ燃料による商業飛行を実現
(Photo courtesy of United Continental Holdings)
ユナイテッド航空が、アメリカで初めて、藻から作られたバイオ燃料を用いた商業飛行を実現しました。
使用された機種は、ボーイング737-800「エコ・スカイ」。
提携するコンチネンタル航空が運航する1403便で、7日朝にヒューストンのブッシュ国際空港を飛び立ち、同日シカゴのオヘア国際空港に到着しました。
使用された藻のバイオ燃料は、カリフォルニア州のソラザイム社が開発したもので、藻類に植物由来の砂糖を加えて発酵させ、精製したという画期的な燃料。
100%藻類バイオ燃料を使用しても飛行に問題はないそうですが、今回のフライトでは、藻類バイオ燃料40%、通常の燃料60%のブレンドが使用されました。
フライトを担当したパイロットによると、藻の匂いなどは感じられず、通常のフライトと変わりはなかったとのこと(unitedのtwitter)。
今回のフライトはあくまで一度きりのデモンストレーションですが、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングズは、ソラザイム社から年間2,000万ガロン(約7,571リットル)の藻類バイオ燃料を購入する契約を締結。
早ければ、2014年には実現するそうです。
同社は代替燃料の使用に積極的で、このフライト以外にも、2009年にはコンチネンタル航空で藻とジャトロファという木のバイオ燃料を用いてテスト飛行を実施、2010年にはユナイテッド航空による天然ガス燃料での商業飛行を実施しています。
同様に、アラスカ航空も、明日9日から2週間に渡り、シアトル-ワシントンDC間、シアトル-オレゴン州ポートランド間の二区間で75便、使用済食用油20%のバイオ燃料を用いて商業飛行を行うことを発表しました。
同社によると、この75回のフライトによって削減できる温暖化ガス排出量は10%、134メートルトン(年間26台の車を排除したのと同等)になるとのこと。
もし、同社のすべての便に1年間この20%バイオ燃料を使うと、64,000台の車を排除するのと同じ効果があり、削減分で28,000家庭に電力を供給することができる計算なのだそう。
このバイオ燃料を開発したのは、食品大手のタイソンと合成燃料企業シントロレウム社の合弁会社、ダイナミック・フューエルズ社。
供給するのは、スカイNRGという飛行機用バイオ燃料商社です。
トウモロコシや大豆など食品を使用するバイオ燃料は、食糧価格高騰の原因となるとして非難されていますが、使用後の食用油や食用とならない藻類であれば、そうした批判は避けられそうです。
石油の枯渇が視野に入ってきた昨今、いよいよ、大量の燃料を必要とする航空業界で本格的な代替燃料競争がスタートしたようです。
United Airline
ウエブサイト:http://www.united.com/
Alaska Airline
ウエブサイト:http://www.alaskaair.com/
2011/11/08