パーソンズ、ゼロ・ウエイスト・デニム展
多くの著名デザイナーを輩出しているファッション大学、パーソンズ・スクール・オブ・デザインが、同スクール1階のギャラリーにて「ゼロ・ウエイスト・デニム」展を開催中。
ウエイストとは、英語でゴミのこと。
つまり、ゼロ・ウエイスト・ファッションとは、可能な限り布の端切れを出さずに作られたゴミゼロファッションのこと。
通常、布は1メートル程度の幅で販売されます。
服を作るためには、その限られた幅の布を、身頃、袖、襟、と型紙に合わせて切り取り、縫い合わせて形にしていきます。
特に柄物の場合は、柄と縫い目を合わせるために布上に置く型紙の位置が限定されるので、布の多くの部分が無駄になります。
そうした無駄を出さないようなパターン・デザインの技術が、ゼロ・ウエイスト・デザインなのです。
パーソンズは、昨年秋から、エコブランドのルームステイトの創業者、スコット・ハーン氏とローガン・グレゴリー氏を特別講師に迎えた「ゼロ・ウエイスト・ガーメント」というクラスを設けており、クラスで学生たちが製作したゼロ・ウエイストのデニムアイテムを「ゼロ・ウエイスト・デニム」展で展示しています。
展示されているアイテムの中から、最も優れたデザインが同ブランドの2011秋冬コレクションに採用されます。
同展では、作品が展示されているだけではなく、製作過程がビデオ放映されているので、ゼロ・ウエイスト・デザインの手法を学ぶこともできます。
ファッションは、毎シーズン新しいアイテムを作り出すという構造的に無駄の多い業界。
環境問題が深刻化し、食糧や水、エネルギーの価格が上昇する中、このまま無駄を出し続ければ、業界自体が存続できなくなってしまうかもしれません。
そのため、少しでも環境負荷を削減しようと、ゼロ・ウエイスト・デザインを採用するブランドが増えてきています。
ゼロ・ウエイストに限らず、アメリカでは多くのファッション学校でサステナブルデザインのクラスが設けられています。
将来のファッション業界を担う学生たちがこうした手法を学ぶことで、業界のサステナブルな発展が期待されます。
Parsons The New School for Design
The Sheila C. Johnson Design Center
2011年2月8-23日
ウエブサイト:http://www.newschool.edu/parsons/
2011/02/17