ブルックリン・ボウル Brooklyn Bowl
(Photo by Adam Macchia, coutesy of Brooklyn Bowl)
エコエコって騒ぐけど、ニューヨークでエンタテイメントを楽しむには、どうしてもエネルギーを消費するし、環境を汚すことになるから、ちっともエコじゃない。
なんて不満を抱いている方に、朗報。
世界初のエコボウリング場、ブルックリン・ボウル。
なんと、ボウルが生分解可能!なわけはありませんが、とにかく環境へのこだわりがすごい、しかもレトロな雰囲気がクールな、エコかっこいいボウリング場なのです。
(Photo by Adam Macchia, coutesy of Brooklyn Bowl)
なにがすごいって、まずは建物。
残念ながら、LEED認証は取得していませんが、LEED基準に合致するグリーンビル設計。
築200年以上の建物を改装したうえ、レーンはもちろんのこと、建物に使用されている木材は、ほぼ100%FSC認証済のリサイクル素材。
バーのカウンターには、ソーホーやトライベッカの築100年以上の建物で使われていた木材を使用。
レストランの家具には、ブルックリン・ネイビーヤード(海軍造船場)で使われていた素材を再利用。
壁のペンキは、揮発性有機化合物含有量ゼロのソイインク。
使用する電気は、100%風力発電。
CO2センサー付き、且つ、最適温度と空気質を管理する冷暖房空調設備。
さらに空調の省エネ効果を上げるべく、巨大ファンを設置。
ボウリングのピンを操作する機器は、一般的な自動操作のものではなく、敢えて昔ながらの吊り上げ式を採用し、75%も省エネを実現。
家具や什器はほとんどが廃材を再利用したもの。
電化製品は可能な限りエネルギースター認証済。
ラウンジや貸切プライベートルームの床はコルクを再利用。
併設のステージは、床はタイヤの再利用、ライトはすべてLED。
トイレの便器や蛇口は省水設計。
(Photo by Adam Macchia, coutesy of Brooklyn Bowl)
と、とにかくエコへのこだわりは半端じゃない。
こんなにすごいのにLEED認証を得ていない理由は、”LEEDは時に官僚的すぎる傾向があり、認証を得ることにこだわりすぎると、せっかく環境負荷を削減しようと努力してもかえってエコでなくなってしまうこともある”という創業者の意思ゆえ。
一旦は認証を得るためのプロセスを踏んだそうですが、細かい努力が報われないことがわかり、それなら認証を得なくても、という結論に至ったのだそう。
LEEDの仕組みが悪いわけでは決してありませんが、ブルックリン・ボウルは規則に則らない細やかでクールなエコ努力をたくさんしている、ということなのです。
(Photo coutesy of Brooklyn Bowl)
そして、ブルックリン・ボウルがただのボウリング場じゃないのは、マンハッタンの高級レストラン「ブルーリボン」の料理を出していること。
ボウリング場でブルーリボンって、ただごとではありません。
エンタテイメントでは料理はイマイチ、が定番でしたが、その常識を打ち破る試み。
ブルーリボンはオーガニック食材にこだわっているわけではありませんが、ボウリングしながらおいしいものを食べられるなら、そこは目を瞑りたいところ。
さらにすごいのが、レストランで提供する飲料ボトルや缶は無駄以外の何者でもない!という創業者の意思の下、ブルックリン・ボウルでは、ノー・ボトル、ノー・カン主義。
ビールもジュースもすべてグラスのみ。水は水道水オンリーです。
というのも、ブルックリン・ボウルの隣は、ブルックリンの地酒メーカー、ブルックリン・ブルワリー。それなら、敢えて遠くから運んだよその地のビールをボトルで出す必要などありません。
(Photo by Adam Macchia, coutesy of Brooklyn Bowl)
実はブルックリン・ボウルの創設者は、世界初と言われたエコクラブ、トライベッカの「ウォーターランド」の元オーナーとマネージャー。
ウォーターランドは2001年に閉店となりましたが、彼らの環境とエンタテイメントにかける情熱、そして最新のエコ技術を駆使して生み出されたのが、このブルックリン・ボウルなのです。
ボウリング場なのに、立派なステージ付きのイベントスペースやシャワー付きプライベートルームが併設されているのも納得。
環境に配慮しながらエンタテイメントを楽しみ、クールな空間とおいしい料理に舌鼓・・・ボウリングの常識を打ち破ったエコクールなブルックリン・ボウル、新しい時代のエンタテイメントスペースといえそうです。
Brooklyn Bowl
ウエブサイト:http://www.brooklynbowl.com/
2009/10/06