グリーンなファイルフォーマット"WWF"
コンピュータで読めば済むはずのメールやウエブサイト、つい紙に印刷してしまったという経験、ありませんか。
パソコンの小型化、携帯やスマートフォンの機能充実、電子リーダー市場の拡大により、いまや紙に印刷したメディアを見る機会は大幅に減りました。
それでも、昔からのクセで、"つい"印刷してしまうこと、あるのではないでしょうか。
紙は本来、木を原料とする、とても貴重な地球の資源。
現在、世界中で毎日100万トンの紙が使用され、その紙を作るために日々広大な森林が伐採され、毎年1,300万ヘクタール(ギリシャの国土と同じくらい)の森林が消滅しているそうです。
森林の消滅は、気候変動や生態系の乱れの一因となっています。
私たちの"つい"が、私たちの生活を脅かす原因となってしまっているのです。
この状況を何とかしようと立ち上がったのが、パンダのマークでおなじみの環境保護団体WWF(World Widelife Fund)。
ドイツのWWFが、同じくドイツの広告会社Jung von Matt、Dederichs Reinecke &Partner社と共同で、環境にやさしいファイルフォーマット"WWF"を開発したのです。
面白アイディアで無駄な印刷を削減
"WWF"ファイルの機能はPDFとほぼ同じですが、最も大きな特徴は印刷できないこと。
WWFファイルの使用方法は、PDFとほぼ同じでとても簡単。
ファイルを開くには無料ソフトウェアをダウンロードするだけ。
ファイルをWWFに変換するには、印刷オプションでプリンターやPDFの代わりに"WWF"を選ぶだけ。
作成されたWWFファイルには、拡張子に".wwf"がつき、木の絵とWWFロゴが入った緑色のアイコンが表示されます。
ダウンロードファイルはMAC用とPC用があり、どちらのOSでも稼動します。
インストールは数分で終わりますし、PDFファイルを開けるコンピュータならWWFファイルも問題なく開くとのこと。
ワードやパワーポイントなどマイクロソフト系のファイルをWWFに変換することも、もちろん可能です。
WWFは、印刷を100%止めようと主張しているのではありません。
"Think before you print."
印刷する前に、本当に必要か考えようと訴えているのです。
仕事や日常生活で、どうしても印刷しなければならない時はあるはずですから、そういう時は、両面印刷や使用後の紙をリサイクルするなど、紙の消費量を削減するための方法を採ればよいのです。
WWFファイルは、私たちの"つい"を防いでくれる大切なツール。
どんどん周りに広めて、少しでも多くの"つい"をなくしていきましょう!
ダウンロードはこちらから↓
WWF
ウエブサイト: http://www.wwf.org/
2010/12/16