プラット・サステナブルファション展
デザインカレッジ、プラットのギャラリーで開催中のサステナブルファッション展「Ethics + Aesthetics = Sustainable Fashion(倫理+美=サステナブルファッション)」。
テーマは、「Reduce, Revalue, and Rethink(減らす、再評価する、考え直す)」。
ボドキン、アラバマ・チャニン、スーザン・チャンチオロ、ルームステイト、ウルル、ケリー・コブ、ローガン、サンズ、スロー・アンド・ステディ・ウィンズ・ザ・レース、マックス・オスターワイズ(SUNO)、スモックショップと、単にエコ素材を使用しているだけでなく、スローファッションやフェアトレードなど、さまざまなコンセプトの下にサステナブルな世界を目指すブランドが集められ、ファッションって何だろう、と再考させてくれる意味深いエクジビションです。
会期中に開催されたパネルディスカッションは、立ち見が出るほどの盛況。
バーニーズのクリエイティブディレクター、ジュリー・ギルハートさん、ウルルのデザイナー、キャロライン・プリーブさん、スロー・アンド・ステディ・ウィン・ザ・レースのマリー・ピンさんが、キュレーターのフランチェスカ・グラナータさん、サラ・スカトロさんと共に、サステナブルファッションについてそれぞれの意見や経験を語ってくれました。
バーニーズのジュリーさんは、丹精込めて作られたハイエンドなファッションは時代を経ても決して色褪せることのないアートピースであり、長く着られるスローファッションであることを強調。
若いデザイナーは、まず素晴らしいデザインをクリエイトすること、そして、どうしたらサステナブルになれるのか、リサーチを重ね、バリューを提供すれば、消費者は認めてくれると言います。
バーニーズでは小さなブランドは他の人が持っていない特別なアイテムだからこそ売れること、そしてステラ・マッカートニーのオーガニック素材で作ったバーニーズ・エクスクルーシブのコレクションは、敢えてオーガニックであることを主張せず、しかも通常のコレクションより高価であるにも関わらず、デザインが良いから売れているという事例として挙げてくれました。
ウルルのキャロラインさんは、おばあちゃんが使っていた型紙で服を作り、その型紙を孫の代にも手渡せる、そんなファッションがサステナブルなのだと言います。
そして、サステナブルである以上オープンでなければならないと、透明性の大切さを主張。サステナブルになるための手法や情報リソースを惜しみなく提供することで、世の中全体がサステナブルになるのだと言います。
スロー・アンド・ステディ・ウィン・ザ・レースは、シーズンごとにトレンドに合わせてコレクションを発表するテンポの早いファッション界へのアンチテーゼとして、隔月で少しずつアイテムを付け足していく手法を取るブランド。
「白いシャツ」や「スウェット」など服の要素をテーマにしたコレクション、そしてシンプルな素材で作られたベーシックな服は、シーズンが変わっても着られなくなることはありません。
服の寿命を全うするまで着倒すには、トレンドに左右されない服を選ぶことが大切なのであり、スローで着実なファッションが最終的には勝利する(スロー・アンド・ステディ・ウィン・ザ・レース)のだと、デザイナーのマリーさんは教えてくれます。
それぞれのデザイナーが、それぞれの思いでサステナブルな社会の実現を目指すサステナブルファッション。
「Ethics + Aesthetics = Sustainable Fashion」は、デザイナーたちの思いを垣間見られ、ファッションの意味を改めて考えさせてくれる、素敵な展示会です。
Pratt Manhattan Gallery
"Ethics + Aesthetics = Sustainable Fashion"展 (~2/20まで)
ウエブサイト:http://www.pratt.edu/about_pratt/visiting_pratt/exhibitions/
2010/01/29