化粧品や日用品の危険度評価サイト、
スキンディープ
(Image from EWG SkinDeep)
化粧品や日用品には、化学物質がたくさん使われています。
にもかかわらず、容器に書かれている成分表を見ても、いったいどの成分が安全でどれが危険なのかわかりません。
そこでオススメなのが、商品ごとの危険度を独自に評価・公表しているウエブサイト「スキンディープ」。
登録されている商品は、化粧品、日焼け止め、スキンケア、ヘアケア、目薬・コンタクトレンズケア、ネイルケア、香水、歯磨き粉、男性用品、ベビー用品の10カテゴリから、アメリカで流通している約3,000ブランド70,000商品。
カテゴリ、ブランド名、商品名、成分名、企業名など、さまざまな項目で検索でき、商品ごとに点数化された危険度評価(低い順から0-10点)を見ることができます。
点数だけでなく、0-2点のものは緑、3-6点は黄色、7-10点は赤と、わかりやすく色でも表示。
さらに、発がん性やアレルギー成分など項目ごとに危険度を確認できます。
また、商品に含まれる全成分や使用方法、動物実験の有無などの情報も掲載されています。
危険度採点の方法は、各商品に含まれる成分と、独自に開発した各成分の危険性測定値を掛け合わせて算出。
成分の危険性に関する情報は、各国の規制、国家機関、業界団体、学術機関、その他信頼できる団体など約60の機関のデータを利用。
危険度の種類を17カテゴリに分け(発がん性、生殖・発達系障害、内分泌かく乱、アレルギー・免疫毒性、神経毒性、各国・機関による規制や警告、生殖系以外の臓器への毒性、持続性・蓄積性、暴露源、突然変異可能性、細胞・生化学変化可能性、環境への影響、その物質を扱う労働者への危険性、炎症、皮膚からの吸収性、不純物混在可能性、その他)、それぞれに測定基準を設けて数値化しています。
ただし、まだ十分に研究されていない成分は各機関からの情報を得られないため、危険度を測定できません。
そのため、上記の0-10点の危険度評価とは別に、情報入手可能性を「入手不可(none)」「限定入手(limited)」「適度に入手(fair)」「十分入手(good)」「確実に入手(robust)」の5段階に分けて表示しています。
この2つの評価を合わせることで、商品の安全性がより明確になります。
たとえば、危険度は0点だけど情報が「入手不可」の場合は、危険性がわからないのであまり使わない方がよいかもしれません。
一方、危険度が0点で情報が「確実に入手」の場合は、安心して使えます。
環境や社会にやさしいと謳っている商品でも、スキンディープで検索したら、危険度10で情報が「確実に入手」、ということもあるかもしれません。
現在使っている商品や購入を検討している商品の安全性をチェックするだけでなく、グリーンウォッシュを暴くためにも活躍しそうです。
こんなにすごいウエブサイトなのに、利用はすべて無料。
それもそのはず、このサイトを提供しているのは、環境作業部会(Environmental Working Group)という非営利団体。
このウエブサイトの制作以外にも環境や人々の健康を守るために数々の活動を行い、市民の立場に立った実直な姿勢と政府の規制や法案化の実現に大きく貢献した実績から信頼を得ています。
環境作業部会は、人々の寄付で成り立っている団体。
ウエブサイトから得た恩恵を寄付で返せば、また別の社会のためになる活動に繋がるはずです。
Environmental Working Group, Skin Deep
ウエブサイト:http://www.ewg.org/skindeep/
2011/12/09