ブライト・ヤング・シングス Bright Young Things
オーガニックコットン素材の服、環境に配慮した染色を施した服、購入額の一部が寄付される服・・・グリーンファッションにはいろんなカタチがありますが、究極のエコファッションっていったい何なのでしょう。
答えはカンタン。
新しい服を作らない、そして、買わないこと。
それが、最も環境に配慮した方法なのです。
そんなことわかっちゃいるけど、買いたい欲求を抑えられない!
それが現代人の悲しい性。
グリーンなライフスタイルを続けていれば、自然に必要なモノ以外は買わない生活になりますが、最初からそういう生活を実践するのはなかなか難しいもの。
そこで、最小限の服を最大限に着まわしておしゃれを楽しもう、というサステナブルなコンセプトを提案したのが、ブライト・ヤング・シングス。
上の15枚の写真、実はすべて1枚のワンピースを異なる方法で着こなしたもの。
ブライト・ヤング・シングスのアイテムは、黒いワンピース1枚だけ。
ビンテージアイテムなどを足すことで、さまざまなスタイルを実現したのです。
ひとつの服を何通りにも着まわせれば、所有すべき服は最小限で済みます。
もちろん、毎回異なる着こなしをするためには、小物や他のアイテムも必要になりますが、ビンテージ小物や手持ちの服を活用すれば、新たにモノを作り、買う必要はありません。
ブライト・ヤング・シングスがこのコンセプトで服作りを始めたのは、世界中で話題になった"ユニフォーム・プロジェクト"がきっかけ。
ユニフォーム・プロジェクトとは、2009年5月、ニューヨーク在住のインド人女性シエーナ・マセキンが、インドのスラム街に住む貧しくて教育を受けられない子供達のために学校に通う費用を提供しようと、寄付金集めの手段として始めた取り組み。
シエーナは、新しいアイテムをひとつも購入せず、1枚の服を1年365日異なる方法で着こなし、それをウエブに掲載することで注目を集め寄付を募る、という斬新なアイディアを思いつきます。
ところが、彼女は服を作った経験がまったくナシ。
そこで、友達のデザイナー、エリーザに依頼します。
エリーザは、シエーナの考えを理解し、前後両方から着られ、ワンピースにもチュニックにもジャケットにもなり、エレガントにもカジュアルにも着られるというマルチファンクション且つマルチパーパスのシンプルなリトルブラックドレスを考案。
そして、シエーナは、そのドレスを2009年5月から4月まで1年間365日、さまざまなスタイルで着こなしたのです。
プロジェクトが始まるや、アメリカのメジャーテレビ局やハイエンドファッション誌、さらにアメリカのみならず世界中のメディアからも注目を集め、1年で103,374ドルの寄付金が集まります。
結果、287人の子供達が学校に通えることになったのです。
プロジェクトが進行するうちに、このリトルブラックドレスを着たい!というフォロワーが続出。
エリーザが365枚限定でドレスを作り販売したところ、1週間以内で完売。
売上はもちろん、ユニフォーム・プロジェクトに寄付されました。
あまりの人気に、エリーザは、ブライト・ヤング・シングスというブランドを立ち上げ、リトルブラックドレスを販売し始めます。
そして2010年秋、ニューヨークで開催されたザ・グリーンショーで、新たに8つの着まわしやすいアイテムを発表しました。
現代社会では、多くの企業やブランドが、たくさん服を作ってたくさん売り、たくさんお金を稼ぐことを目的としていますが、ブライト・ヤング・シングスは、可能な限り服を買わずにひとつの服を着まわして欲しいと願っています。
たくさんの服を所有し、日替わりで着ておしゃれに見せるのはカンタンなこと。
一方、少ないアイテムでたくさんのおしゃれな着こなしをするのは、クリエイティビティやファッションセンスが必要でムズカシイ。
でもそれは、サステナブルでファッショナブルな素敵なおしゃれの楽しみ方でもあるのです。
ファッションの楽しみ方やビジネスのあり方、いろんな観点から、世の中で当たり前と思われていることに対して疑問を投げかけるブライト・ヤング・シングス。
エリーザやシエーナの行動が心に響いたなら、今日から1週間同じ服を違う着こなしで楽しんでみたり、しばらく服を買わないでみたり、何かしら行動を起こしてみてはどうでしょうか。
いつのまにか、必要なモノ以外買わないグリーンでクールなサステナブルライフを実践する、グリーンなあなたに生まれ変わっているかもしれません・・・。
Brighy Young Things
ウエブサイト: http://www.youbrightyoungthings.com/
Uniform Project
ウエブサイト: http://theuniformproject.com/
2010/09/23