ニューリー・メイド Newly Maid
(Photos courtesy of Newly Maid)
着まわしやすいベーシックな黒いドレス、通称:リトル・ブラック・ドレスを販売するサステナブルブランド、ニューリー・メイド。
1年間同じ服を着まわすユニフォーム・プロジェクトが話題になったように、着まわしできる服はサステナブルファッションの代表格。
でも、ニューリー・メイドのドレスは、着まわしやすい黒いドレスではあるものの、素材や生産方法がサステナブルなわけではありません。
いったい何がサステナブルなのかというと、そのビジネスモデル。
タンスの肥やしになっているブライズメイド・ドレスやフォーマルドレスを回収してリユース・リサイクルし、代わりに、フォーマルにもカジュアルにもオフィスにも着て行ける着まわし自在のリトル・ブラック・ドレスを格安で販売する、というサステナブルな仕組みを提供しています。
ブライズメイドとは、結婚式前の準備や式当日に介添え人として花嫁をサポートする女性のこと。
欧米では一般的な習慣で、花嫁の姉妹や親しい友人たち複数が務め、式当日は全員がお揃いのドレスを着て華を添えます。
このブライズメイド・ドレス、白いウエディングドレスを着た花嫁を引き立てるために作られたドレスなので、清楚な白が映えるように濃い色味だったり、デザインがあまり魅力的ではないことが多く、そのうえブライズメイドに選ばれた友人たちが皆同じドレスを持っているので、他の機会で着ることができません。
いっそレンタルすれば良いのですが、残念ながら、アメリカではウエディングドレスやブライズメイド・ドレスをレンタルする習慣はあまりありません。
ウエディングドレスであれば、一生の思い出として大切に取っておいたり、娘に引き継ぐこともできますが、ブライドメイド・ドレスは個人的な思い入れがないにも関わらず、花嫁への気遣いから簡単に捨てられず、クローゼットの場所を取る迷惑な存在となってしまうのです。
そんな状況に目をつけたのが、創業70年を超える老舗ブライズメイド・ウエディングドレスメーカーのデッシー・グループ。
自社が生産するブライズメイド・ドレスが迷惑な存在になっているのなら、みんなが喜ぶリトル・ブラック・ドレスに交換してしまおうというアイディアを思いついたのです。
仕組みはいたって簡単。
- まず、ニューリー・メイドのウエブサイトで会員登録し、気に入ったリトル・ブラック・ドレスを購入。
- 届いたリトル・ブラック・ドレスに同封されている送料受取人払の返送用封筒に、要らないフォーマルドレスを入れ、フェデックスで送付。
ブライズメイド・ドレス以外に、花嫁の母親のドレスやプロムドレス(高校卒業時のダンスパーティ、プロムで着るドレス)、その他フォーマルドレスも回収してくれますが、破れていたり、シミがあったり、ジッパーが壊れていたりするものは受け付けてくれません。
- 届いたドレスの状態や素材をニューリー・メイドがチェック。
リユースできる状態であればクローズ・フォー・ソウルという慈善団体に寄付され、リサイクル可能な素材であればリサイクル繊維メーカーに提供されます。
一度きりしか着る機会のないドレスをリユース・リサイクルしてくれるうえ、着まわし自在のリトル・ブラック・ドレスを破格で入手。
環境負荷削減に貢献する、サステナブルでうれしい仕組みです。
クローゼットに眠っている不要なドレスがあるならば、捨てる前にニューリー・メイドの活用を検討してみては。
NewlyMaid
ウエブサイト:http://newlymaid.com/
2012/01/14 訂正
2011/05/26