アメリカ人が考えるヘルシーフード、
本当にヘルシー?
巷にあふれる「ヘルシーフード」。
健康そうに見えるものも多いですが、本当にヘルシーなのか、よくわかりません。
そこで、一般にヘルシーと考えられている食品と、栄養士がヘルシーと考える食品がどれだけ異なるのか、ニューヨークタイムズ紙が調査を実行。
アメリカで一般に食されている52品目の中から、どれがヘルシーだと思うか、アメリカ栄養学会に所属する数百人の栄養士と一般人2千人にアンケートをとりました。
その結果、栄養士と一般人の間だけでなく、栄養士の中でも大きな意見な相違があったそう。
調査の結果
栄養士と一般人で最も乖離が大きかったのは、グラノーラ・バー。
一般人の71%がヘルシーだと思っているのに、ヘルシーだと考える栄養士はたった28%だったそう。
同様に差が大きかったのは、
- ココナッツオイル(一般72% vs 栄養士37%)
- フローズンヨーグルト(66% vs 32%)
- グラノーラ(80% vs 47%)
- オレンジジュース(78% vs 62%) など。
逆に、栄養士がヘルシーだと考えているけれど、一般人がそれほどヘルシーだと思っていない食品は、
- キヌア(一般58% vs 栄養士89%)
- 豆腐(57% vs 85%)
- 寿司(49% vs 75%)
- ワイン(52% vs 70%)
- エビ(69% vs 85%) など。
どちらもヘルシーだと思っている食品は、
- リンゴ(一般96% vs 栄養士99%)
- オレンジ(96% vs 99%)
- オートミール(92% vs 97%)
- 鶏肉(91% vs 91%)
- 七面鳥(90% vs 91%)
- ピーナッツバター(79% vs 81%) など。
どちらもヘルシーでないと思っている食品は、
- ハンバーガー(一般29% vs 栄養士28%)
- ビーフジャーキー(27% vs 23%)
- ダイエットソーダ(16% vs 18%)
- 精白パン(18% vs 15%)
- チョコチップクッキー(10% vs 6%) など。
だったそう。
栄養士の間で意見が割れるものも多く(牛乳63%、チェダーチーズ57%など)、栄養士の意見が正しいのかどうかも定かではありません。
ヘルシーフードの定義
そもそも、ヘルシーフードの定義自体が曖昧です。
政府の現行規制では、脂肪、飽和脂肪、塩分、コレステロール、有益な栄養分(ビタミンCやカルシウムなど)の5つが基準値より低い場合のみ「ヘルシー」と表記してよいことになっていますが、糖分に関する制限がないため、この規制に従うと低脂肪で糖分の高い菓子類がヘルシーで、アーモンドやアボカドなど脂肪分が高いが健康的な食品がヘルシーではなくなるため、近年議論が起こっており、政府は定義を見直すことを発表しています(ヤフーニュース)。
日本では、「健康食品」の定義がなく、国の認可が必要な「特定保険用食品(トクホ)」や、届出のみで国の認可が不要な「機能性表示食品」などが一般に「健康食品」と呼ばれていますが、内閣府消費者委員会によると、国の制度に基づかず、機能性の表示を認められていない「いわゆる健康食品」も多く出回っているようです。
結局のところ、どの食品がヘルシーなのかは体調や生活スタイルにより異なりますし、どんな食品でも食べ過ぎればヘルシーではありませんから、各人が自身の健康状態を考えた食生活を送るしかないのでしょう。
ちなみに、自身の食生活が"とてもヘルシー"と考える一般人は15%、"そこそこヘルシー"と思っている人は63%もいたそうです。
米国民の36%が肥満、33%が太り過ぎという現状から考えるとずいぶん甘い自己評価に見えますが、どの食品がヘルシーか気にし過ぎて悩むよりも、ヘルシーな食生活を送っていると信じる方が幸せな生き方なのかもしれません。
ウエブサイト:NY Times
2016/07/05