バーニーズ、グリーン路線存続の危機?

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(Photo by Dale Harris)

アメリカのグリーンファッション界を牽引してきた、バーニーズのファッションディレクター、ジュリー・ギルハートさんが同社を退職することが発表されました。

ギルハートさんは、バーニーズでグリーンブランドの取扱いを増やしたり、2007年のホリデーシーズンに"グリーン"をテーマに推したりと同社のグリーン化を促進しただけでなく、対外的にも、グリーンファッション関連のセミナーやイベントに積極的に参加してグリーン化の大切さを訴え、著名デザイナーによるエコ素材の服を発表するフューチャーファッションショーの開催に尽力するなど活躍し、"エコファッションはダサい"というイメージを払拭させた立役者として、アメリカのグリーンファッション界で有名な人。

ファッションのグリーン化に貢献しただけでなく、若手デザイナーの発掘にも定評があり、ランバンのアルベール・エルバスやプロエンザ・スクーラーなど当時は無名だったデザイナーの知名度を押し上げた目利きとしても知られ、バーニーズのレディスファッションの顔としても有名です。

その彼女が退職するということで、今後のバーニーズのグリーン戦略の行方が懸念されます。

バーニーズは、2007年にドバイの投資会社イスティスマールに買収され、翌年ハワード・ソコル氏がCEOを退職してから、CEO不在の状態が長く続いていましたが、今年9月に元グッチCEOのマーク・リー氏のCEO就任が決まり、今後はイスティスマールが期待する利益追求型経営に邁進するだろうと見られていました。

そして今月、元グッチ・アメリカ社長のダニエラ・ヴァイタル氏がレディースとウエブビジネスのトップに就任し、同時に、レディース部門のヘッドだったジュディ・コリンソン氏とレディス部門ファッションディレクターのギルハートさんが退職することが発表されました。

約20年の同社キャリアを持つ両氏が退職することで、バーニーズならではの斬新で独特なセンスと商品セレクトが維持できるのか、そして同社の名物クリエイティブ・ディレクターであるサイモン・ドーナン氏が、リー、ヴァイタル両氏の経営手法にどう対応するのか、心配されています。

また、ハイエンドなグリーンファッションの品揃えでは米小売No.1の地位を築いていたバーニーズが、これを期にグリーンブランドの扱いを減らすことも懸念されます。

ギルハートさんの後継はまだ決まっていないようですが、彼女のように、環境とファッションの両立の重要性を理解し、そのうえ鋭いファッションセンスを持つ人物は稀ですから、同社のグリーン路線に変化が起こることはほぼ間違いないでしょう。

両氏の退職理由は"他の可能性を追求するため"と公表されています。
今後ギルハートさんがどのような"可能性を追求"するのか、期待が持たれます。

Barneys New York
ウエブサイト: http://www.barneys.com/

2010/11/30

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