グリーンファッションの第一人者が大集合、
クーパー・ヒューイット美術館
サステナブルファッションセミナーCooper Hewitt Sustainable Fashion Panel
クーパー・ヒューイット国立デザイン美術館で開催された「サステナブル・ファッション・セミナー」。
ローガンのローガン・グレゴリー氏、バーニーズのジュリー・ギルハート氏、ルームステイトのスコット・ハーン氏、サステナブルファッションショーを展開するアースプレッジのレスリー・ホフマン氏といったグリーンファッションの第一人者が大集合し、クーパー・ヒューイットのサラ・スカットゥロ氏をモデレータに、サステナブルファッションについてパネルディスカッションが行われました。
議題は、サステナブルファッションとは何か、から、ルームステイトのデザイン哲学やターゲットとのコラボ秘話、ギルハート氏がバーニーズのファッションディレクターでありながらもサステナビリティに目覚めたきっかけ、バーニーズのサステナブルな取組み、ハイエンドファッションVS低価格ファストファッション、など、みんなが知りたい内容が盛りだくさん。
大きなテーマとしては、皆さん一様に、「Buy Less」「Less is better」と不必要なものを購入しないこと、物を大切に使うことを強調し、物をたくさん持つことがかっこいのではない、ドラッグをやったり大きな車や高価なブランド物を購入して自慢するより、自然と戯れ、人間本来が持つ楽しさ、歌い、踊り、話し、笑うことの方がよほど楽しくかっこいいのだということを主張していました。
最先端ファッションを突き進むバーニーズのギルハート氏でさえ、買うのを控え、丹精込めて作られた物を一生大切に使おう、と訴え、本来1年に2コレクション(春夏・秋冬)で良いはずなのに、物を売るために6コレクションを展開するデザイナーがいることを批判。
ファストファッションの功罪についてはさまざま議論がありますが、パネラーの皆さんは、基本的に使い捨てて次から次へと購入を促すファストファッションの仕組みに反対の姿勢を貫くものの、ルームステイト・フォー・ターゲットを例に挙げ、安くても、クオリティが高く、長く大切に使えるものに対しては支持を表明していました。
また、スコット・ハーン氏が、何がサステナブルで何がそうでないのかを学ぶことの大切さを強調し、レスリー・ホフマン氏が完璧は存在しないのだからできる範囲で、と訴えると、ローガン・グレゴリー氏が「Find your own sustainability.(自分自身のサステナビリティを見つけよう)」と提案するなど、パネラー全員が、無理のない範囲で、でも努力を怠らず、より良い世界になるために行動を起こそうと、参加者の皆さんに訴えかけていました。
グリーンファッションの大御所たちが、自らの経験談をふんだんに盛り込み、サステナブル且つかっこいいライフスタイルを送るための意見と知識を共有してくれた、2時間に渡るパネル・ディスカッション。
貴重な話に惹き込まれ、あっという間に終わってしまいましたが、終了後に参加者の方々の顔が、希望に満ち、輝いていたのが印象的でした。
このパネルは、クーパー・ヒューイットで現在開催中の「デザイン・フォー・リビングワールド」の一環として行われたもの。
サステナブルな素材を使って著名アーティストが製作したアート作品が展示された同展示会の模様は、また後日お伝えしますが(こちら)、一見の価値ありです。
パネラーたちのライフスタイルを参考に、サステナブルにかっこよく生きましょう!
Cooper Hewit National Design Museum
ウエブサイト:http://www.cooperhewitt.org/
2009/05/28