フェアトレード認証、
アパレルとインテリアグッズにも拡充
(Photo courtesy of TransFairUSA)
労働者の人権を守り、公正な取引が行われていることを証明するフェアトレード認証。
これまでは、農作物や民芸品などにしか適用されていなかったため、フェアトレードを理念に掲げるブランドを筆頭に、アパレル製品へのフェアトレード認証を求める声が高まっていました。
特にコットン製品に関しては、綿花やコットン繊維に対するフェアトレード認証は存在していたものの、裁断や縫製工程に関する認証基準がないために、フェアトレードのコットンを使用した服や布製品であっても、認証を得ることができなかったのです。
そこで、国際的なフェアトレード認証機関であるFLO(フェアトレード・ラベリング・オーガニゼーション)のアメリカの傘下団体であるトレードフェアUSAが、裁断・縫製工程への認証基準を作成し、コットン製のアパレルやインテリアグッズに対しても認証を行うことを発表しました。
2009年11月16日から45日間、認証基準のドラフトが同団体ウエブサイト上で公表され、民間の意見調査が行われます。
そして、2010年春には最初のフェアトレード認証付コットン製アパレル・インテリア製品がアメリカの店頭に並ぶ予定。
公示されているドラフト基準には、監査の正当性から、労働者の苦情対処方法、フェアトレードプレミアム資金の支払、強制労働や児童労働の禁止、労働者の健康維持や賃金、労働時間、女性の権利など、裁断・縫製工場やその労働者に対する様々な基準が明記されています。
また、素材にファトレード認証済コットンを使用しなければならないことも、しっかりと記載されています。
フェアトレード認証がアパレルやインテリア製品に拡張したとはいえ、あくまで対象はコットン製品のみ。
しかも、アメリカのファトレード認証であるトレードフェアUSAによる認証なので、当面はアメリカ国内に限られます。
これを機に、多くの国のフェアトレード認証を統括するFLOが同様の基準を採用し、すべての素材製のアパレルやインテリア製品においてフェアトレード認証が得られるようになれば、アパレル・インテリア業界全体で国際的にフェアな取引ができるようになります。
それが実現するにはまだまだ長い道のりがありそうですが、今回の発表によって、その目標が一歩近づいたことは間違いありません。
先進国の人々の良い物を安く買いたいという欲求が、途上国の人々を苦しめているという事実を忘れてはなりません。
一部の人の利益のために他の人の利益が侵される社会は、健全とは言えないのです。
良い世の中になるかどうかは、ひとりひとりの意識と行動次第。
次に買い物をするとき、生産者のことを考えて行動できれば、良い世の中を作るために貢献したことになりますよ。
TransFairUSA
ウエブサイト:http://transfairusa.org/
2009/11/25