全米大学エコ調査、結果発表!
(Photo by jrgcastro @flickr.com)
エコな大学って、いったい何がエコなの?
って思う方も多いはず。
実は、アメリカでは、ここ数年、専門の機関による大学のエコ度調査が毎年行われているんです。
しかも、それぞれの大学に対し、A、A-、B+と、成績までつけちゃうんです。
調査を行っているのは、サステナブル・エンドウメンツ・インスティチュートというNPO。4年前から毎年一度、全米・カナダの332大学に対して調査が行われています。
調査項目は以下の9つ。
運営:
大学の経営者や理事のサステナビリティに関する方針と関与
気候変動・エネルギー:
キャンパス内でのエネルギー効率、環境保全、排出量削減義務、再生可能エネルギーの使用
食・リサイクル:
リサイクルやコンポストを含む食堂のサービスポリシー
グリーンビルディング:
キャンパス全体のグリーンビル指標と、新築・既存ビルのグリーンビル計画
学生の関与:
サステナブルな活動への学生の参加、学校運営者による活動への支持
交通:
学生、教授、スタッフ用の代替輸送、キャンパス内運行車両への代替燃料・ハイブリッド技術活用
寄付の透明性:
寄付・投資情報や、株主代理投票の記録の公開
投資優先度:
ROIの優先度、再生エネルギーファンドへの投資、地域開発ファンドへの投資
株主の関与:
学生、教授、卒業生の参加を含む、株主代理投票の実務
今年は、332大学中、Aが8%、Bが45%、Cが34%、Dが13%という結果に。 総合評価で最上位は、A-を取った以下の26校。
アムハーストカレッジ、アリゾナ州立、ブラウン、カリフォルニア、カールトンカレッジ、アトランティックカレッジ、コロラド、ディキンソン・カレッジ、ハーバード、ルターカレッジ、マカレスターカレッジ、ミドルベリーカレッジ、ミネソタ、ニューハンプシャー、ノースカロライナ、オバリンカレッジ、パシフィック・ルタラン、ペンシルバニア、ポモナカレッジ、スミスカレッジ、スタンフォード、バーモント、ワシントン、ウェスリアン、ウィリアムズ・カレッジ、イエール
ハーバードやスタンフォードなど、有名私立校が並ぶ中、アリゾナ州立、ヴァーモントなどの公立大学もがんばっています。
人気のアイビーリーグでは、ハーバード、イェール、ブラウン、ペンシルバニアの4校がA-ですが、ダートマスはB+、コロンビアとコーネルはB、プリンストンはB-だったそう。
F(落第)はなかったそうですが、項目別にFが出ている学校は結構ある模様。
たとえば、株主の関与の項目では136校がF、寄付の透明性では87校がF、その他キャンパス絡みの6項目では78校がFだったそう。
大学は寄付が多いので、財務周りの透明性は、なかなか難しいのでしょう。
でも、キャンパス内の環境対策では、どの大学もがんばっています。
LEED認証のビルがある大学はなんと44%もあり、認証は得ていないけどLEED基準を満たしている大学は75%もあったそう。
キャンパス内で太陽熱・風力・バイオなど再生エネルギーを作っている大学は45%、再生エネルギーを購入している大学は40%。
83%が地元の農家や生産者から食物を購入し、61%がキャンパス内に農場やガーデンがあり、91%がフェアトレードのコーヒーや食品を扱い、55%がキャンパス内でコンポストしています。
46%が自転車シェアリングを行い、キャンパス内運行車両にハイブリッドや代替燃料を使っている大学は77%も。
そして、サステナブル専門のセンターを設けている学校は45%、ウエブサイトにサステナビリティ関連の項目がある大学は91%もあるのだそう。
総合的に見ると、今年は、56%が前年よりも評価が上がり、13%が僅かに評価が下がったのだそう。
不況でコスト削減の波が大学にも浸透する中、かなりのがんばりだったといえそうです。
日本でもこうした評価制度があると、大学がどんどんグリーン化していくかもしれませんね。
Green Report Card.org
ウエブサイト:http://greenreportcard.org/
2009/10/27