米環境省、
温室効果ガスの危険性を認める声明を発表
(photo by AGrinberg@flickr)
米環境省が、温室効果ガスの人体への危険性を認める声明を発表!
環境問題を認めようとしなかった長い長い8年が終わり、いよいよアメリカが本格的な環境対策に取り組み始めたことの証明と言えるでしょう。
温室効果ガス?なあんだ、そんなこと、いまさら?
なんて思ってはいけません。
過去のことを穿り返すのはよくありませんが、これまでの政権では、専門家がどんなに環境問題の深刻さを訴えようと、
政策上、環境問題が起こっているという事実を認めることはしませんでした。
京都議定書をはじめ、世界全体での環境対策への取組みに対しても、協力を拒んだことも周知の事実です。
それが、新政権発足から数ヶ月で、
今後、政府による環境対策が一気に加速するであろうことを期待させるこの声明の発表となったのですから、
環境問題の専門家や権威が、こぞってこの声明を評価しているのも無理はありません。
アメリカが環境対策を促進するということは、世界の環境対策にも大きな影響を与えることにもなると考えられており、
世界全体の問題である環境問題に取り組む体制が、ようやく整ったともいえる、と言われています。
環境省が発表した事項は、要約すると、以下の通りです。
- 温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ヒドロフルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、六フッ化硫黄)は、国民の健康や快適な生活を危険に晒す大気汚染の原因となっている。
- その大きさと可能性両方において、気候変動は、現在・将来ともに深刻な問題である。
- 温室効果ガスは人類が排出したものであり、その濃度が前例にない高いレベルにあることは、気温上昇と気候変動の原因となっている可能性が非常に高い。
- 気候変動の影響として、地表レベルのオゾン濃度の上昇、旱魃の増加、豪雨や洪水の増加、熱波や野火の頻度・重度増加、海抜上昇、暴風の激化、水資源・農業・野生生物・生態系への被害などが挙げられる。
これらは、2007年に出されたIPCC(気候温暖化パネル)の第4次報告書に既に記載されている事柄で、周知の事実と捉えられている感がありますが、
これを米政府が正式に認め、温室効果ガス排出規制に向けて歩を進めていることを発表した、という事実がすごいことなのです。
米法は、一定の公示期間を経てから法律制定となりますが、現在はその民間の意見を聞く調査期間の段階で、今後順次公聴会が開催される予定。
オバマ政権のクリーンエネルギー政策を支えるべく、規制の実施もそう遠くはないと見られています。
他の政策と同様、環境対策も、各国の利権が色々絡むところもあるのでしょうけれど、
環境問題に対して今対策を取らなければ、将来大きな悪影響を及ぼすであろうことは、目をそむけることのできない事実です。
地球全体の問題解決に向け、世界中で力をあわせて取り組むことができたら、歴史の一ページに残る大きな功績となりそうですね。
ニュースリソース:EPAウエブサイトなど
US Environmental Protection Agency
ウエブサイト: http://www.epa.gov/
2009/03/05