ニューヨーク州、
トラックの排気ガス・アイドリング規制強化
ニューヨーク州環境保護局(DEC)は、州内のディーゼルトラックやバスのアイドリングと排気ガス規制を強化することを発表。
ディーゼルは、燃焼することにより、温室効果ガスのひとつである二酸化炭素、光化学スモッグの要因になる窒素酸化物、人体や環境に影響を及ぼす粒子状物質などが排出する危険な燃料。
排出されるこれら物質は、いずれも環境や人体に影響を及ぼしますが、特に粒子状物質は、人の鼻や口から入り、喘息や肺関連の病気の原因となるため、危険度の高い物質です。
ニューヨークなど、商用トラックやバスの往来が激しい都市部で喘息人口が多いのは、こうしたディーゼルによる排気ガスが大きな要因になっているのです。
そもそも、ディーゼル車の排煙や5分以上のアイドリングはニューヨーク州では法律で禁止されているものの(詳細は、DECのサイト参照)、現在でも、黒煙をあげたり、アイドリングを続けるトラックやバスは、だいぶ少なくなったとはいえ、存在しています。
そのため、ニューヨーク州は規制を強化することに決定したのです。
07年、喘息人口の多いニューヨーク市内イーストハーレムで試験的に行った規制強化が大きな成果をあげたことから、今後は市内に限らず州内どこでも、特にディーゼルトラックが集まりやすい地区を中心に、違反車の検挙を実行するのだそう。
イーストハーレムで行った強化活動時、361台のディーゼルトラックを調査し、うち163台を州の空気・安全関連の規制の違反に対し、10台をアイドリング規制違反に対しチケットを切ったとのこと(アイドリングの違反チケットを切られると375-15,000ドルの罰金が生じます)。同地区を往来するディーゼルトラックのうち20%が排気ガス・アイドリングの法律違反を犯しているのだそうなので、強化する意義は大きそうです。
最近は、エンジンをつけなくても車内の温度調整ができる装置も開発されていますし、車や燃料自体も代替可能なものが揃っているので、アイドリングや排煙規制を強化して環境汚染を食い止めるのは理にかなっています。
ディーゼルトラックやバスに限らず、ガソリンで走る自家用車でも、アイドリングストップを心がけ、地球をきれいにしていきたいですね。
ニュースリソース:NY State Department of Environmental Conservation
2008/12/09