レオナルド・デリカプリオの環境系ドキュメンタリー映画「The 11th Hour」DVD発売

11th hour

「The 11th Hour」のDVDが発売になりましたが、もうご覧になったでしょうか。DVDにはなんと1時間以上のスペシャルフィーチャーがついていて、映画に出演した専門家たちのより詳しい説明を聞くことができます。
また、 環境を扱う映画ですから、DVDのパッケージも再生可能な素材でできているのも嬉しいところ。
日本では2008年夏に劇場公開予定とのことですが、公開になったら、ぜひ見て下さい。素晴らしい作品です。

まず、タイトルのThe 11th Hourというのは、変化するために残された最後の時間、という意味。つまり、今行動を起こさなければ、人間がこの地球で生きていられる時間はあまり残されていないのだということです。

映画では、ゴルバチョフ元ソ連大統領や科学者のスティーブン・ホーキング氏、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ女史、自然資本主義でおなじみのポール・ホーケン氏など、環境関連では知らない人はいない著名人たちが、それぞれの専門分野について、地球で今何が起こっているのか、それに対して私たちはどうすればよいのか、を淡々と、あるいは熱く語ってくれます。

この映画は、単に地球温暖化や絶滅に瀕した種などの映像でインパクトを与えて人を怖がらせるためのものではありません。
今地球で起きていることについては、多くのテレビやニュースで取り上げられているので、多くの人が認識しているでしょうけれど、それをことさら大仰に訴えて怖がらせるのではなく、そうした表面化している一部の現象は、いったい何が原因となって起こっているのか、それを防ぐためにはどうすればよいのか、政治家や大企業など影響力のある人だけが解決できる問題として放置するのではなく、私たちひとりひとりがどう行動すればよいのか、何を知るべきなのか、といった建設的な意見や問いかけをしてくれる映画なのです。

地球は人類が出現する前からあったもの。
たとえ人類が絶滅しても残り再生し続けるもの。
今、私たちが誤った行動を正さなければ、地球ではなく人類が、私たちや私たちの子孫が、生きていけなくなってしまうのです。
私たちが環境対策として行っている事は、「地球を守る」のではなく、「人類を守る」こと、「自分自身や子孫を守る」ことなのです。

高度な知能を持った人類は、不本意ながらも、発展することによって地球に対して悪い行いをしてきてしまいました。それによって、人類が生存することができる環境は、刻々と失われつつあります。
そして、その兆候として、ハリケーンや旱魃、洪水など自然災害の多発や多くの種の絶滅、喘息人口の大幅増加、ガンやエイズなどの難病の増加などの現象が、目に見える形で起こっているのです。

今、人類は大きなチャンスを与えられています。
さまざまな兆候が見えてきて、何がいけなかったのかがわかってきた今、誤りを正して、この危機を乗り越えるのか、何もせず、私たちの子孫が病気になり、食料が不足し、人類が生きられない環境になるのを手をこまねいて見ているのか。

今の便利な生活を急にやめて、昔のように貧しい生活に戻るということではありません。発展は悪いのではないのです。
ただ、誤りを正し、これまでと同じ生活レベルを保てるよう、培ってきた技術を良い方向に駆使し、地球と人類が共存できる世の中を築き上げていくことが大事なのです。

とはいえ、もちろんそんな高度な技術は、一般の私たちが持っているわけではありませんよね。では、私たち個人個人は何をすれば良いのでしょう。

まずは知ることです。
今地球で何が起こっているのか、なぜそれが起こるのか、どういう解決策があるのか。ただ漠然と生きるのではなく、大切なことを学ぶのです。

そして、行動を起こすこと。
ディカプリオさんのように映画を作るなんてことは一般の人にはできません。グリーンファッションのブランドを立ち上げるなんていうのも、たとえ才能があったとしても大変なことです。政治家や大企業など影響力のある人に訴えることは大切です。でも、もっと簡単にできることがあります。自分の行動に責任を持つことです。

日々の行動で「人類を守る」行いをしているかどうか、確認するのです。
家の電気は再生可能なエネルギーから作られたものか、あるいは温暖化の大きな原因となる石油を燃やして作られたものか。
これから作る夕飯はオーガニックの野菜や肉を使うのか、あるいはガンなどの病気の原因とされる農薬や殺虫剤を使って栽培された素材を使うのか。
会社に行くときには、自転車や公共の交通機関を使っているか、あるいは排気ガスを撒き散らして燃費の悪い車で通っているのか。
洗濯は、自然原料でできた洗剤を使い、冷たい水を使って行っているか、あるいは海に流れて最終的に私たちの口に入るであろう魚の体を蝕む薬物が入った洗剤を使用し、ガスを大量消費する温水を使っているのか。

誤りを認識したら、正せばよいのです。
変化のきっかけは得てして小さなことなのです。
ひとりひとりが、学び、知り、気付き、行動を起こし、ほかの人に伝える。
これを続ければ、私たちの子孫は生き続ける事ができるでしょう。

まずは知るために、この映画を見ることをオススメします。
そして、世界中の皆で力をあわせて、危機を乗り越え、希望ある未来を作り上げていけると良いですね。

The 11th Hour ウエブサイト
Amazon.co.jpで購入→ 11th Hour (Ws Sub)

2008/04/10

  • ピックアップ記事