ゲイリー・ハーヴェイ、
リサイクルファッションショー
2010秋冬ニューヨーク・グリーン・ショーが開幕しました。
4日間に渡り、11のグリーンファッションブランドのショーが行われるこのイベントには、ニューヨークブランドを中心に、ロンドン、シカゴ、ロサンゼルス、トロントなどのブランドも参加。
オープニングナイトに登場したのは、雑誌エディトリアルから広告やブランドのクリエイティブディレクション、そしてファッションデザインまで、マルチな才能を持つゲイリー・ハーヴェイ氏。
彼のリサイクルファッションショーは、07年ロンドンの「エステシカ(Estethica)」や、同年ロサンゼルスの「エコ・ヌーボー」などのエコファッションショーでも既にお披露目されていますが、今回は新たなピースも加わり、グレードアップしたショーを見せてくれました。
最初に登場したのは、グリーン・ショーのスポンサーであるナチュラル・スキンケアブランド、ヴェレダとのコラボによるパッケージング・ドレス(上写真)。
ヴェレダのシグナチャープロダクトであるモイスチャライザー「スキン・フード」のパッケージ350枚をリサイクルして作られたドレスは、素材の硬さを活かしたボリューム感あるゴージャスなアイテム。
こちらは、42枚のリーバイス501から作られたデニムドレスに、4枚のデニムジャケットで作られたキモノジャケットをあわせたスタイル。
リーバイスのクリエイティブ・ディレクターを長年勤めたハーヴェイ氏だからこそ実現したアイテム。
このドレスを作ったことをきっかけに、リサイクルファッションに目覚めたのだそう。
16着のウェディングドレスをリサイクルしたウェディングドレス。
一生に一度しか着る機会のないウェディングドレスは、とても無駄が多い服。
だからこそ、エコなアートピースに生まれ変わることで、地球への恩返し。
元になったドレスを着て結婚した16人の花嫁さんたちも、きっと喜んでいることでしょう。
30部のフィナンシャル・タイムズ紙から作られたボリューミーなニュースペーパードレスには、観客から拍手と歓声が。
古新聞だって立派なアート素材となり得ることを証明してくれています。
電子リーダーやモバイルPC、スマートフォンの普及により、いずれ紙の新聞はなくなってしまうかもしれませんが、現時点ではまだまだ紙新聞は必要不可欠。
読み終わった新聞は、捨てる前に何かにリユースできないか、常に考えたいものです。
その他、ネイビーのドット素材の服をリサイクルしたスポッティ・ドレス、26枚のベースボールジャケットから作られたパフドレス、10枚のチェック柄シャツから作られたドレスなど、計22アイテムを披露。どれも完成度の高い、素晴らしいアートピースばかり。
グリーン・ファッションウィークのオープニングに相応しい、素晴らしいショーを見せてくれたゲイリー・ハーヴェイ氏。
「廃棄された生地や素材を使うことで、見た目がかっこよくなるだけでなく、かっこいい人間だってなれる」と、リサイクルの大切さ、アートやファッションの素晴らしさを教えてくれます。
どんな物でも、捨てずにリサイクル。
どう処分されるか分からない行政のリサイクル回収に任せるのではなく、使った物の再利用法を自分なりに考え、クリエイティブに活用してこそ、本当にエコ&クールな人といえるのかもしれません。
Gary Harvey
ウエブサイト:http://www.garyharveycreative.com/
2010/02/15