NYコレクション会場、
痩せすぎモデル対策ブースが登場
2006年に拒食症のモデルが亡くなるという痛ましい出来事が起こって以来、各国ファッション市場では痩せすぎモデルの対応がさかんです。
07年には、フランス、イタリア、アメリカ、イギリスの4大コレクションを行う国のファッション団体が集結し、この問題に対して各国協力しあって取り組むことに同意。
この会合により、スペイン、イタリア、フランスでは痩せすぎモデルの起用を規制、イギリスとアメリカではモデルに対する教育やファッション業界への情報提供などによってこの問題に対処することを決定しました。
そしていよいよ、NYコレクションでもこの動きが本格化。
コレクション会場にモデルの健康を訴えるブースが登場したのです。
通常は、さまざまな企業がファッション関係者への広告効果を狙って出展するブースですが、今年は、アメリカのファッション業界を取り仕切る、CFDA(Council of Fashion Designers of America、アメリカ・ファッションデザイナー協会)がブースを出展。
ブース内・会場内では、拒食症に関するパンフレットを配布したり、痩せすぎモデル問題に対処することを表明する署名を集めています。
痩せすぎのモデルが生まれる背景には、そういったモデルを起用したり、痩せていることがかっこいいような錯覚を生む広告を展開するなど、ブランド側の痩せすぎモデル志向があります。
この問題を根本から解決するには、ファッション業界の人に問題を認識してもらうことが大切であるため、CFDAは、コレクション会場にブースを設けて訴えることを決めたのです。
こうした活動の成果が出ているのか、最近は病的なほど痩せたモデルを見かけることもだいぶ少なくなりましたし、テレビのモデル公募番組などでも、標準サイズのモデルが起用されることも増えてきました。
そもそもファッションは、自分なりの着こなしを楽しんだり、状況にあわせて場を楽しんだり、素敵な服を着て自分が気持ちよくなることに意義があるのではないかと思いますが、痩せることに固執しすぎたり、トレンドを追うあまり、買い物しすぎて破産したり、ファッションが苦痛に変わってしまっては意味がありません。
もちろん食べすぎは良くないですが、無理なダイエットをすることも問題です。
適度に食べ、適度に運動し、きちんと健康管理ができていれば、どんなファッションも素敵に着こなせるはず。
何事もほどほどに、極端に走りすぎないことが、自分も周りも幸せになり、純粋にファッションを楽しむことができる秘訣なのかもしれません。
ちょっと立ち止まって、自分にとって社会にとって、ファッションって何なのかを考えてみると、世界観が大きく変わったりするかもしれません・・・。
CFDA
ウエブサイト:http://www.cfda.com/
2008/09/07