グリーンファッション専門のショールーム
創始者のバハー・シャーパーさんにインタビュー
グリーンファッションデザイナーのバハー・シャーパーさんが、グリーンファッションブランドのみを集めたショールーム「ザ・フォーハンドレッド」を設立。
ショールームとは、若手ブランドのPRや販売を代行する機能で、アメリカではごく一般的な手法。でも、ハイエンドなグリーンファッションブランドのみを取り扱っているのは、全米でも「ザ・フォーハンドレッド」だけ。
2007年春夏に自身のグリーンファッションブランドを立ち上げたバハー・シャーパーさん。それだけでもすごいことなのに、ほかの若手デザイナーをサポートし、サステナブルなハイエンドファッションを世の中に浸透させるため、ショールームの開設に踏み切りました。
「サステナビリティを世の中に浸透させるためには、ロビー活動や政府への働きかけをすることももちろん重要だけど、一番大切なのは、サステナブルなものやサービスを誰もが入手できるようになるということ。
みんな、サステナブルなファッションが良いらしいってことは知っているけど、どうしたらいいのか、どこで手に入るのかわからないの。だから、エデュケートしていくことが重要なことだと思う。」
というバハーさん。
ショールームで扱うブランドがハイエンドであることも大事なことだと言います。ファッションは上位から下位へと流れていくもの(アメリカでは、トリックル・ダウンと言います)。だからサステナブルなファッションを広めるには、上位から始めないと広がらないのです。
「ハイエンドであるということは、品質もデザインも秀逸であるということ。
ファッションは、機能面と芸術面という両極端の要素を持つものだけど、サステナブルなファッションは、これまで、オーガニックやナチュラルといった素材や生産過程などの機能面が強調されすぎていたと思う。
皆に浸透させるには、デザインを重視する必要があると思うわ。」
アメリカでは、動物愛護団体の存在が非常に大きく、グリーン・ファッション、エコ・ファッションというと、ベジタリアン、動物の皮などを使ってない、というイメージが強い。
でも、バハーさんは、動物愛護にこだわりすぎると本当に大切なことを見落としてしまうと、その動きを疑問視しています。
たとえば、牛や豚の肉を食べる行為は今後もなくなることはない。であれば、多くの食用動物の皮が無駄に捨てられている事実に目を向けなくてはならないのです。
動物がかわいそうだからといって無駄に捨てるのではなく、使ってあげる。それがサステナブルなやり方。世の中がそういうシステムに変わっていかなくてはならないのだと、バハーさんは訴えます。
バハーさんは、2004年に「アグリカルト」というブランドを立ち上げ、サステナブルなデザインをどうしたら実現できるか研究開発を続けてきたので、エコ素材がどこで手に入るかなど、グリーンファッションに関する知識が非常に豊富。
今後は、その知識を活かして、サステナブルなデザインに関するコンサルティングもしていきたいのだそう。
バハーさんによると、実は日本のエコ素材は、欧米なんかより断然進んでいるのだとか。
日本のグリーンファッションがアメリカに進出し、「ザ・フォーハンドレッド」で取り扱われる日も近いのかもしれません。
The Four Hundred
ウエブサイト:http://showroomfourhundred.com
2008/01/10