ヴォート・クチュール Vaute Couture

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シカゴのヴィーガンファッションブランド、ヴォート・クチュール。

ヴィーガンとは、動物の肉だけでなく乳製品も卵も一切食さず、レザーやシルク、ウールなど動物性の繊維も一切身に着けない、厳格な菜食主義者のこと。

そんなヴィーガンにとって、最適な冬物コートを見つけるのは至難の業。
なぜなら、暖かいコートは、ウールやカシミアなど動物の毛を使っていることが多いから。

シカゴ在住のデザイナー、リアン・ヒルガードさんは、長く厳しいシカゴの冬の寒さに耐え得る保温性とスタイリッシュなデザインを兼ね添えたヴィーガン用コートを探していたけれど、どうしても見つけることができなかったのだそう。

そこで、誰も作っていないなら自分で作ろうと一念発起。
08年9月、通っていたMBAスクールを辞め、ヴィーガンコートブランドを作るためのリサーチを開始。
8ヶ月間のリサーチの末、求めていた素材に出会い、09年秋冬シーズンにブランドを立ち上げたのです。

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リアンさんの要求を満たしてくれたのは、ポーラテックのウィンド・プロという素材。
機能性を重視したポーラテック素材はアウトドアブランドで使われることが多く、中でもウィンド・プロは通常のフリースの4倍も保温性が高く、撥水性も併せ持つスーパー機能素材。
パタゴニアやアークテリックスなどアウトドアブランドの中でもごく一部でしか使われていないこの極上素材を使い、オートクチュールクオリティのデザインに仕上げたのが、ヴォート・クチュールのコートなのです。

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裏地にはテイジンのエコサークルというリサイクルポリエステルを使用。
エコサークルとは、着古したポリエステル製品を顧客から回収し、再度ポリエステル繊維にリサイクルし、それを使用した服を作リ販売する、そして再び着古した製品を回収しリサイクルする、という永遠にゴミを出さずに循環し続けるポリエステル生産の仕組みのこと。
日本の繊維メーカー、テイジンと世界中の小売・アパレルメーカーとの協業により実現したサステナブル素材です。

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そして、2010-11秋冬シーズン向けに新しく採用したのが、50%リサイクル繊維を使用したプリマロフト・エコというダウン風の素材。
テイジンのエコサークルポリエステルの中にプリマロフト・エコを入れ、キルティング風に仕上げたという、手の込んだ素材です。

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ヴィーガン男子のために、メンズラインも用意しています。

メンズもレディースも、言われなければ機能性素材だとはわかりません。
近くで見ても、本当に美しいクチュールコート。
オフィスやディナーなどアウトドアウエアを着用するのが憚られるシチュエーションでも、問題ありません。

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オーガニックコットン製Tシャツラインも展開しています。

ブランドのプロモーション用に”V is for Vegan!”など動物愛護のメッセージを入れたTシャツを作ったところ、評判が良く、欲しいという声が多かったため、コレクションとして作ってしまったのだそう。

2010-11秋冬コレクションでは、メッセージTシャツだけでなく、動物柄が愛らしいキュートなTシャツも用意し、さらに幅広い品揃えに。

8歳の頃に動物愛護に目覚め、ティーンネイジャーの時にヴィーガンになったという、筋金入りのアニマルラバー、リアンさん。
ウールやカシミアを使わずにスタイリッシュで美しいヴィーガンコートを作るという発想は、アウトドアブランドでもアパレルブランドでもなく、ヴィーガンの彼女だからこそ生み出すことができたのでしょう。

Vaute Couture
ウエブサイト:http://www.vautecouture.com/

2010/03/01

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