大手食品スーパーチェーンのクローガー、
食品残渣からバイオガスを再生

food waste

食品の40%が廃棄されている、アメリカ。

この状況を改善するため、多くの企業や自治体が食品の再利用や堆肥化を行っています。

そんな中、大手食品スーパーチェーンのクローガーが、傘下のラルフズとフード・フォー・レスの食品残渣からバイオガスを再生する嫌気性発酵プラントを、同社の物流センター内に建設したことを発表しました。

嫌気性発酵とは、酸素がなくても生育できる"嫌気性生物"により生ゴミを分解し、メタンガスに変える仕組み。

一般的な堆肥化と異なり、酸素を必要としないため、匂いが発生せず、スペースを節約できるのがメリット。

同社が導入した設備は、年間5万5千トン、1日150トンの食品残渣を処理でき、再生したガスは物流センターのエネルギー源として使用されるのだそう。

これにより、施設内の20%のエネルギーを賄うことができ、食品残渣をゴミ処理場に運ぶためのトラック走行距離、年50万マイル(=80万km)分も削減できるとのこと。

さらに、同社はフードバンクや非営利団体を通して食品や金銭の寄付を行い、食べ物を必要としている人々に年に1億6千万食分の食事を提供しているのだそう。

資源の無駄遣いを顧みない企業が多い中、素晴らしい活動をしている同社。

しかし、そもそも消費者の手にわたる前にこれだけのゴミが廃棄されているということ自体が大きな問題です。

巨大なリサイクル設備より、大切なコト

この物流センターでは359店舗分の食品を扱っているそうですが、それにしても、たったひとつの物流センターで1日に150トンもの食品残渣が出て、食品ゴミを運ぶために1日に2,200kmもトラックを走らせているのは、驚くべきこと。

設備の導入によりトラック走行がゼロになったことで、大きな環境効果が期待できますが、巨額のコストと大量の建設資材を使用してゴミ処理設備を建設する以前に、ゴミを最小限に抑えることも大切。

同社をはじめ、多くの小売企業は、高度な技術と知識を駆使して効率的な物流システムを作り上げていますが、それよりも、消費者ひとりひとりがちょっとした工夫をすることで、食の流通をあるべき姿に近づける方が、実はより簡単で効果が大きいのかもしれません。

自分で苦労して育てた野菜や果物は、ひとつも無駄にせずに大切に食べきろうと思うもの。
かわいがって育てた鶏や牛の肉は、自分が生きるために犠牲になってくれたことに感謝して大切に頂くもの。

流通システムが複雑になり、生産者と消費者が遠ざかれば遠ざかるほど、こうした食べ物を大切に思う気持ちが薄れてしまいます。

これを改善するためには、まず自分で野菜や果物、食用動物を育ててみること。
あるいは、農家や畜産家と対話したり訪問することで、生産者を直接知ったうえで購入すること。
それが難しい場合は、食品残渣を削減するために努力している店で購入すること。
さらに、加工品を購入するより、生鮮食品を購入して自分で調理すること。

そんな簡単なことを、ひとりでも多くの人が実行するようになれば、食べ物を大切にする良い社会に変わっていくのではないでしょうか。

Kroger
ウエブサイト:http://www.thekrogerco.com

2013/05/22

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