ファッションブランド、どこがサステナブル?
逆にエコのフリをするグリーンウォッシャーは?

sustainable fashion

ファッションは、罪深きもの。
たとえ必要とされていなくても、消費者の購買意欲を掻き立てるためにシーズンごとにトレンドを作り上げ、商品を作り、売り続けなければ、事業は成り立ちません。

資源不足が深刻化する中、このままでは将来的に存続できなくなると悟った多くのブランドが、ファッションのサステナブル(持続可能)化に取り組んでいます。

しかし、どのブランドが真剣にサステナブルに取り組んでいるのか、逆に環境や社会にやさしいフリをするグリーンウォッシュブランドはどこなのか、消費者には判断できません。

そこで、環境NPOなどが独自の調査を行い、サステナブルなブランドとグリーンウォッシュブランドとを公表しています。

ランク・ア・ブランドのランキング

ひとつは、350以上のヨーロッパのファッションブランドを独自の基準で比較調査した、オランダのブランド比較サイト「ランク・ア・ブランド」。

先月発表されたレポート「フィール・グッド・ファッション」では、気候変動(二酸化炭素排出量削減)、環境対策(素材・製造時の環境負荷削減)、労働環境の3分野の調査を行い、以下の10ブランドを総合評価で最も高いAランクとしています。

  • フライターグ
  • ヌーディージーンズ
  • ヘスナチュール
  • アームドエンジェルス
  • マッド(Mud)ジーンズ
  • ブリード
  • レコリューション
  • クリーナー・アンダーウェア
  • パンツ・トゥ・ポバティ
  • グリーナリティ

Aランクの評価を得たのは、日本ではあまり知られていないマニアックなエコブランドばかりですが、有名企業ももちろん調査対象になっています。

サステナブル企業として名高いパタゴニアや、ファストファッションのH&M、スポーツアパレルのナイキとプーマ、フェアトレードのピープルツリー、ステラマッカートニーなどは、総合評価でBランクとされています。

また、気候変動のカテゴリで最も評価が高いとされたのはティンバーランド、環境対策では、前出のフライターグ、アームドエンジェルス、ブリード、レコリューション、クリーナー・アンダーウェア、グリーナリティ、パンツ・トゥ・ポバティに加え、スニーカーのベジャと100%オーガニックコットンがランクイン。労働環境では、ヌーディジーンズとエスレチックが最優良とされています。

さらに同レポートでは、サステナビリティやグリーンを主張しているのに最低ランクのEとされたブランドに「グリーンウォッシング警告」を与えています。

この不名誉な評価を得たブランドは、あまりに数が多くてすべてを挙げられないほどですが、有名どころでは、ルイ・ヴィトン、 ジバンシー、クロエ、エルメス、バレンチノなどの高級ブランドや、シューズブランドのハッシュパピー、クラークス、ドクターマーチン、ハワイアナスなどがあります。

グリーンピースのランキング

続いて、ファッション企業に対して2020年までに有害物質排出撤廃を呼びかける「デトックス」キャンペーンを展開する、環境NPOのグリーンピース

同団体の提案を受け入れて有害物質ゼロを宣言した企業が、現在までにどのように行動しているかを追跡評価した「デトックス・キャットウォーク」を発表。

しっかりとスケジュールを組んで計画し、実現に向けて着実に進んでいる企業を「リーダー」、約束どおりに実行していない、あるいは誓約自体が弱い企業を「グリーンウォッシャー」、しっかりと誓約していない、あるいはグリーンピースの指摘を無視して誓約すらしていない企業を「ラガード(のろま)」と、3段階に分けて評価。以下がその一覧です。

「リーダー」

  • ベネトン
  • H&M
  • ザラを傘下に持つインディテックス
  • リーバイス
  • プーマ
  • ファストリテイリング
  • バレンチノ
  • デニムのジースター
  • エスプリ
  • ビクトリアズ・シークレットを傘下に持つリミテッド
  • オランダのファストファッションC&A
  • スペインのファストファッション、マンゴー
  • 英小売チェーンのマークス&スペンサー
  • スイスの小売チェーン、コープ

「グリーンウォッシャー」

  • ナイキ
  • アディダス
  • 中国のスポーツブランド、リーニン

「ラガード」

  • ギャップ
  • ディーゼル
  • エンポリオ・アルマーニ
  • カルバン・クラインなどを傘下に持つPVH
  • デンマークのアパレルチェーン、ベストセラー
  • 中国のファッションブランド、メタスバンウェイ
  • 中国のVANCL(凡客誠品)

言葉で装うだけなら誰にでもできますが、真剣に持続可能性を追求し、実践するのは簡単なことではありません。

だからこそ、どの企業がホンモノでどれがニセモノなのかを見極めるのは、大切なこと。

これらはあくまで、各団体の独自基準による評価ですが、買い物の際の参考として活用できるのではないでしょうか。

Rank a brand
ウエブサイト:http://www.rankabrand.org/

Greenpeace
ウエブサイト:http://www.greenpeace.org/

2014/04/21

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